1) 沖縄 北谷竹細工 津嘉山寛紀さん ホウライチクのかご
2) 大分 吉田草史さん 亀甲・寄せ編みの竹かご
(1) 沖縄 津嘉山寛紀さんのバーキ
竹富島 松竹昇助さんのアンツク
当店では毎年8月に『沖縄のかご展』を開催しています。
沖縄の島々より、オンラインショップにも、熟練の作り手たちによる伝統のかごが届きました。
島ごとの個性と手わざが際立つ、沖縄ならではのかごの世界。最初にご紹介しますのは、沖縄市「北谷竹細工」の津嘉山寛喜さんのバーキです。
津嘉山さんは、竹細工が盛んだった北谷(ちゃたん)町の、職人の家に生まれた3代目。
琉球竹細工の技法を身につけ、現在では沖縄唯一の本職の竹細工職人として、後進の指導にも力をいれています。
沖縄の竹細工には「ホウライチク」と呼ばれる南方系の竹を使います。柔軟さとしなやかさを併せ持った節間の長い竹で、縁の仕上げ方など、独自の技法が用いられています。
◆バーキ
人々の暮らしや仕事に欠かせなかった「バーキ」は、主に運搬具としての役割でした。戦前の沖縄は、冬キャベツの生産が全国一を誇り、中国や朝鮮にも出荷されていたそう。農地が少なく、竹が多く生えていた沖縄市・上地の集落では、キャベツの出荷量とともにバーキづくりが発展していきました。
頭の上にバーキを乗せて、たくさんの物を運ぶために、底の真ん中が凹んだつくりとなっています。
今回入荷のバーキは、当時の実用サイズよりも小さめのつくりとなっています。
小サイズは、ちいさめのフルーツ入れに、中サイズは、リンゴやジャガイモなどの根菜用に、大サイズは、キャベツを2-3個を乗せられる大きさです。
楕円型とあわせて、全4アイテムからお選びいただけます。
バーキ(小):https://kagoami.com/SHOP/JWG301.html
バーキ(中):https://kagoami.com/SHOP/JWG307.html
バーキ(大):https://kagoami.com/SHOP/JWG302.html
バーキ(楕円):https://kagoami.com/SHOP/JWG308.html
◆ウーバーラ
「芭蕉布」を織る際、撚った糸芭蕉の糸をためておくのに使われていたかご。
ウーは「糸」、バーラは「腹」の意味をもち、紡いだ糸が絡まらないように、工夫されたつくりになっています。
http://kagoami.com/SHOP/JWG303.html
続いては、竹富島の松竹昇助さん。
八重山地方の民具づくりの第一人者である松竹さんは、島に伝わるさまざまな生活道具を手がけてこられました。
「アンツク」は、畑仕事に行く際にお弁当を入れて持ち運ぶために使われきたこちらも歴史ある道具です。
◆月桃 アンツク
https://kagoami.com/SHOP/JWT107M.html
素材は、月桃の葉柄部分。細く裂いて、手綯いで長い縄を作ったのち、木型をつかって箱型に編みあげていくため、制作にはたいへんな時間を要します。
海に囲まれ、ときには外界と隔絶されてしまう島での暮らし。「昔はみんなが身近な植物を熟知していて、必要なものは何でも自分たちで作ったよ」と語る松竹さん。
縄目のひとつひとつから、熟練の手技を感じられる一点です。
◎沖縄のかご
https://kagoami.com/SHOP/137149/list.html
(2) 大分 吉田草史さん
亀甲編み盛りかご、寄せ編み手提げかご
大分・別府からは、吉田草史(よしだ かやふみ)さんの竹細工が届きました。
吉田さんは、2022年に別府の竹工芸訓練センターを修了後、湯布院の高見八州洋さんのもとで学び、独立した若き竹工家。
厚く太く巻き上げられた「縁」からも伝わってくる通り、吉田さんがこだわっているのは、とにかく頑丈で安心感のある作り。「寄せ編み 手提げかご」からは、質実剛健のうつくしさを感じることができます。
また、自由な発想から生まれる「形」の面白さも、吉田さんの特徴の一つ。
「ちょっと変わっているけど違和感がない形」を意識したという、ひし形、楕円形、三角形の、盛りかごが入荷しています。
◆亀甲編み 盛りかご
六角形を描く亀甲編みの美しさ、縁巻きのこまやかさにもご注目ください。
<三角形> … New!!
小:https://kagoami.com/SHOP/JOQ309.html
中:https://kagoami.com/SHOP/JOQ310.html
大:https://kagoami.com/SHOP/JOQ311.html
<ひし形>
小:https://kagoami.com/SHOP/JOQ304.html
大:https://kagoami.com/SHOP/JOQ305.html
◆亀甲編み 整理かご
柾割りの竹を挟み込んだ厚みのある縁。端正なたたずまいの小ぶりの収納かごです。
四角 小:https://kagoami.com/SHOP/JOQ306.html
四角 大:https://kagoami.com/SHOP/JOQ307.html
楕円:https://kagoami.com/SHOP/JOQ308.html
◆寄せ編み 手提げかご
とても丈夫に作られた、大きな手提げかご。
横は二本寄せ、縦は三本寄せにすることで、強さとうつくしさを備えた作品に仕上がっています。持ち手のすき間にのぞかせた編み模様もポイントです。
https://kagoami.com/SHOP/JOQ101.html
◆ござ目編み 収納かご
竹ひごを厚めに加工し、「ござ目」で編みあげた存在感のある収納かご。とても頑丈でなつくりですので、重いものの保管にも安心です。
浅型(50×30×H13)
https://kagoami.com/SHOP/JOQ303.html
出身は長野県の安曇野市、高校時代は松本に通学していたという吉田さん。
現在は別府に工房を構え、「今後も公募展に積極的に取り組みながら、生活に密着した頑丈な、楽しいモノづくりに励んでいきます」と語ってくれました。
◎九州のかご
https://kagoami.com/SHOP/107293/list.html
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こちらに住みはじめてから知ったことですが、松本市内には200基以上もの古墳が存在するそうです。
その一つ、浅間温泉の裏にある「桜ヶ丘古墳」は、アリの研究をしていた地元中学生たちが、偶然に掘りあてたのだとか。
松本駅から10キロほどの「エリ穴遺跡」からは、日本で一番多くの土製の「耳飾り」が出土しています。
「松本市立考古博物館」には、たくさんの土器とともに、「土器の底」についての展示・解説がありました。
初期の縄文土器は、底面に「木の葉」の跡が多く見られ、土器を作るときに、回転させたり持ち上げやすくするのに、葉っぱを利用していたことが分かります。
さらに時代が進むと「編んだ植物」の跡が見られ、土器の底には「あじろ編み」の模様がくっきりと写っていました。
縄や紐、編組品は土に還ってしまうため、そのままの姿で出土することはめったにありませんが、土器の底に映し出された「編組」の技術は、当時の人々が、すでにとても豊かなかごライフを送っていたことを物語っているようで、想像を掻き立てられます。
弘法山の頂上にある、3-4世紀頃に築造された前方後円墳「弘法山古墳」からは、北アルプスの山々を一望することができます。
雄大な景色を眺めながら、日々いろんな工夫をしながら暮らしていたであろう古墳時代の人たち。その姿が目の前に浮かんでくるような、タイムスリップ感を味わえる場所です。
弘法山古墳から見た松本平の景色
2025.8.22