1) 大分 児玉美重さん 鉄鉢と四ツ目の手提げかご
2) イギリス ノーフォーク地方 エイドリアンさんのかご
(1) 大分 児玉美重さん
「鉄鉢」「四つ目 バスケット」
大分県 杵築市に工房を構える児玉美重さん。
当店とは、2013年よりお取引をさせていただいており、これまで3度の個展を開催するなど、たいへんお世話になっている竹工芸家のお一人です。
児玉さんの作品の特徴を聞かれたら、まずはじめに思い浮かぶのは「透明感」でしょうか。
やさしい手触りにこだわったシルエットと編み加減のバランスにより、空気をまとったような清涼感を感じていただけることと思います。
お坊さんが托鉢につかう鉄の器を模した『鉄鉢(てっぱち)』は、児玉さんの代表作。
極細に整えた竹ひごを使った「輪弧編み」とよばれる手の込んだ作り。底面にのぞく麻の葉模様がアクセントになっています。
別府竹細工を代表する基本造形の一つですが、やはり児玉さんの手にかかると、特別な空気感が感じられます。
◆鉄鉢
小:https://kagoami.com/SHOP/JOM302.html
中:https://kagoami.com/SHOP/JOM303.html
大:https://kagoami.com/SHOP/JOM304L.html
『四つ目編み バスケット』は、おでかけにも室内の収納にも活躍してくれる、容量がある手提げかご。
『四つ目編み』、『八つ目編み』の整理かごも、あわせて入荷していますので、ぜひご覧ください。
◆四つ目 バスケット
http://kagoami.com/SHOP/JOM104.html
◆四つ目 正方かご
https://kagoami.com/SHOP/JOM310.html
◆八つ目 長方かご
https://kagoami.com/SHOP/JOM311.html
児玉さんと竹細工の出会いは、20代の終わりのこと。
勤めていた繊維関係の研究所で、糸という「素材」とじっくりと向き合う日々の中、いつしか自身の手でものを作り出す世界に深く惹かれていったそうです。
様々な手仕事がある中でも、自分には竹細工が合うと直感し、一生の仕事として取り組んでいこうと、大分へ移住。竹細工の世界に飛び込んだのでした。
当店では、2014年、2017年、2024年に個展を開催。毎回、竹のしなやかさを生かした精緻な作品の数々から、児玉さんの揺るぎない かごへの思いが伝わってきます。
◎児玉美重さんのかご
https://kagoami.com/SHOP/107293/list.html
(2) エイドリアン・チャールトンさんの
ヤナギのバスケット
イギリス・ノーフォーク地方の海辺の町に暮らしていたエイドリアン・チャールトンさんがかご職人を目指すことにしたのは、地元で使われていた質実剛健なかごに惹かれたこと、そして良い師との出会いがきっかけだったそう。
地元に伝わるかごづくりの技術を幅広く学んだのち、1985年に独立。今年で40年を迎えるベテランの職人さんです。
代表作の「クラン・バスケット」は、まさに故郷のかご。
「クラン」は、魚の重さをはかる単位のことで、水揚げしたニシンの運搬や計量に使われてきたそう。魚市場で1クラン何ポンド、と競り落とされるため、大きさや形、枝と枝の間隔までも厳格に規格化されていたそうです。
無駄のないシンプルさと高い耐久性を備えたデザイン。港で活躍していた当時の様子も思い浮かべながらお使いいただければ幸いです。
◆クラン バスケット
http://kagoami.com/SHOP/ENF435.html
◆ログ バスケット
太い薪もたっぷり収納できる大容量。我が家では、ザックなどの山道具入れになっています。重たいものも運びやすい両持ち手付き。
https://kagoami.com/SHOP/ENF432-2.html
◆ベリー バスケット
絵本の中に出てきそうな、ベリー摘みのかご。草花を飾るかごとしても、お使いいただけることと思います。
https://kagoami.com/SHOP/ENF403G.html
◆ウォールナッツ バスケット
近くの森でクルミ拾いをするために作ったという、エイドリアンさんご夫婦愛用の一点です。
https://kagoami.com/SHOP/ENF427.html
さまざまな色合いのヤナギを組み合わせた、渋く落ち着いた色づかいも、エイドリアンさんの作品の特徴の一つ。
工房前の畑で、さまざまな品種のヤナギを栽培しています。
「私たちは現在、15種類ほどのヤナギを育てています。
以前はもう少し多かったのですが、この数年の水不足で、幾つかの種類は枯れてしまいました。
ヤナギは、品種ごとに、高密度で丈夫なもの、浸水時間は短いけれど折れやすいもの、など、それぞれに性質の違いがあります。
基本的には複数種を組み合わせて使うのがベストだと、私は考えています。それぞれの長所を引き出せるように考えながら、組み合わせていきます。」
→「ヤナギのこと -エイドリアンさんに伺いました-」
https://kagoami.com/store/blog/250401/
◎イギリスのかご
https://kagoami.com/SHOP/109550/list.html
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数日前、北アルプスの燕岳(つばくろだけ)へ、1泊2日の登山に行ってきました。
かれこれ4、5回目となる馴染みのある山ですが、前回はちょうど10年前。当時まだ小学2年生だった子どもと一緒に登ったのが最後でした。
燕岳といえば、高山植物の女王・コマクサの群落でも知られる山。ならば、夏休みの自由研究のテーマにぴったりだね!と(私がそそのかしたのだと思いますが)、稜線の砂地に這いつくばって、夕暮れまでスケッチしていた姿をなつかしく思い出しました。
今回は、10年分の体力の衰えをリアルに実感しつつも、天候にも恵まれパノラマの景色を堪能。ピークは過ぎたもののまだ可憐な花を残しているコマクサにも出会うことができました。
秋の訪れを感じさせる風と、リンドウやキキョウの姿もみることができ、夏と秋の境を行き来したような2日間でした。

2025.9.5