(1)長野・安曇野市「藁や」稲わらのかご、 (2)スペイン・アンダルシア地方 ロバの壁飾り
長野・安曇野市
「藁や」稲わらのかご
今週は、松本市のおとなりの安曇野市で、家族で育てた稲わらを使い、「藁かご」を制作している鈴木由加利さんをご紹介したいと思います。
鈴木さんご一家が、田んぼに囲まれた自然豊かな安曇野の家で暮らしはじめたのは、今から十数年前のこと。
5人のお子さんとともに、無農薬のお米づくりを実践するなかで、手間ひまをかけてすくすくと育った稲からお米をいただくだけではもったいない、「藁そのもの」も素材として生かせないか、という思いからわら細工を手掛けるようになったそうです。
もう一つ、大学時代に出会った恩師の存在も、わら細工とのご縁につながっていました。
当時所属していた研究室の教授は、なんとわらの専門家。学生時代に、東北や上越などのわら細工の産地を一緒に調査したり、体験した経験があったことが、現在の活動をスタートする大きな後押しとなったそうです。
現在「藁や」の屋号で活動をしている鈴木さんの代表作の一つが「りんご篭」。
民具の展示室で見つけた古い藁かごを手本に、いまの暮らしの中での使いやすさを考えアレンジを加えたオリジナル作品です。
近所のりんご農家さんから分けていただいているという、立派な枝の持ち手がその名の由来。
りんご栽培も盛んな安曇野の風土を映し出した、軽くて強くて美しい、鈴木さんならではの藁かごです。
◆りんご篭
https://kagoami.com/SHOP/JNW101.html
◆手持ち篭
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通気がよく、弾力性も高いのがわらのかごの特徴。くだもの入れやお茶碗の保管などにもおすすめです。
ご購入日から一年間の無償修理の保証書が付いています。
◎長野のかご
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スペイン・アンダルシア地方
ロバの壁飾り
スペイン南部、ウベダの街の工房から、キリリとハンサムで、でもどこかかわいらしい「ロバの壁掛け」が入荷しました。
地中海沿岸の乾いた土地に自生する、堅くて背の高い草エスパルトを巧みに編み上げる、伝統的な「エスパルト細工」です。
表情ゆたかな動物たちのオブジェは特徴的なアイテムのひとつですが、なかでも「ロバ」は、ドン・キホーテの物語にも登場する、スペインを象徴する動物として愛されています。
エスパルトを素材とするもの作りは、この地域で7000年もの昔から行われていたそう。ロープの素材としても優秀で、地中海貿易で繁栄したフェニキアの船乗りたちも利用していたのだとか。
ロバの飾りは、束ねたエスパルトを麻ひもも使いながら器用に成形し、愛らしい表情を上手に表現しています。
裏面にループがついているので、壁にかけて飾ることができます。
◆ロバの壁飾り
http://kagoami.com/SHOP/EPU107.html
日本人にとって身近な稲わらのように、スペインでは、縄やござ、履物、家畜の餌や燃料としても余すことなく利用され、人々の生活を支えてきました。
見渡す限りのオリーブ畑に囲まれた美しい街ウベダの、親子4世代にわたって続く工房で、職人のペドロさんに制作していただいています。
◎スペインのかご
https://kagoami.com/SHOP/90567/list.html
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松本で暮らしはじめて、二週間が経ちました。
あたらしい事務所への通勤もだいぶ慣れ、いつもと違う道を通って自宅に帰るのが、毎日のちょっとした楽しみになっています。
実際に住んでみて、あらためてこの街の魅力のひとつだと思うのが、街の中心部を流れる女鳥羽川の存在です。
ゆったりとした流れの小さな川ですが、水辺に降りる階段がいくつもあって、橋をくぐったりひとつ越えるたびに異なる表情を見せてくれます。
街中を縫うように流れる 松本城のお堀の水も、やがて女鳥羽川にたどり着くそう。
街を歩いていると、こんこんと湧き出る水場に随所で出会い、きれいに手入れされた水路を見ると、地域の人々が水と川をとても大切にしていることに気づかされます。
女鳥羽川の全長は20キロほどですが、周囲の川と合流しながら、やがて日本最長の川・信濃川となって、新潟の海に注ぐのだそう。
近いうちに、美ヶ原から流れ出る源流部を訪れてみたいなと思っています。
2024.8.16