かご小話(25) : ゆりかごから墓場まで

「ゆりかごから墓場まで」とは、おもに国家における福祉について
語られる言葉ですが、かつて「かご」が人のくらしの中に不可欠だった
時代を思い起こさせてくれる言葉でもあるように思います。
赤子がなぜ揺らされてよろこぶのか、理由ははっきりしないそうですが、
ゆりかごは世界の各地に存在し、かごの材料や技術が応用されています。
日本では、「エジコ」や「イズミ」などとよばれるワラ製の育児用かごが、
農作業中の育児の負担を軽減する道具として、使われてきたそうです。
近頃のベビーカーには欧米メーカーの機能的なものが目立ちますが、
かつての乳母車といえば、木製の車に籐製のかごを乗せたものが
思い浮かんできます。
そして、古代エジプトのミイラにもみられるように、埋葬の場で遺体を
包んだり埋葬する棺としても、かごは使われていたのです。
最近の日本では、環境の配慮から「エコ棺」とよばれるダンボール葬もあると
聞きました。ヨーロッパでは、再び森など自然の中での埋葬が増えつつあり、
環境に優しい天然素材の棺が注目されはじめているようです。