日本では知名度の低い、東ティモールという国について、
もう少し触れたいと思います。
東ティモールは日本の真南に位置し、時差はゼロ。 海に囲まれた、
自然豊かな常夏の島国です。
海岸で遊ぶ子どもたち
けれども16世紀にポルトガルの植民地となって以来、
2002年に独立を果たすまで、歴史に翻弄されて続けてきた国でもあります。
人々は、たび重なる侵攻に苦しめられながらも、大地と民族のつながりを
深く意識することで、誇り高く生きてきました。
その一部は、2010年に製作されたドキュメンタリー映画「カンタ!ティモール」で
知ることができます。
独立後の主な産業はコーヒー豆の輸出。近年では、おいしいフェアトレード製品の
コーヒーとして、日本での認知度もあがっています。
収穫されたコーヒーの実でいっぱいの、大きなかご
そして今も残る、豊かなかご文化。さまざまなかごがあるようですが、
その代表の一つが、今回当店で販売を開始した、椰子のかごです。
暮らしにかごが根付いているこの国においてさえ、安価なプラスティック製品が
大量に輸入され、作り手の数は着実に減っていると聞きました。
豊かさとともに様々なものを急速に失ってしまった、一時代の日本を
思い浮かべてしまいます。
かごをきっかけに、この国と、人々のくらしの様子を
たくさんの方に知っていただけたら、嬉しいなと思っています。
朝子