ウールは寒い国の産物という印象があり、ケニア産のウールがある、と
聞いた時に少々驚きました。ケニアといえばサバンナに灼熱の太陽のイメージ。
人びとがウールを身につけているという想像も浮かんできませんでした。
けれど広大なケニアの国土は山あり谷あり。
標高5千メートルを超えるケニア山のふもとに、このウールの産地
ナニュキ村(Nanyuki village)はあります。村の標高も2千メートル近く、
この国では例外的に、羊の飼育に適した場所なのでしょう。
ナニュキ村で活動する「Nanyuki Spinners & Weavers」という団体が、
村の女性たちにウールの糸紡ぎや、ウールを編んだ製品の作り方を
指導しています。
30年以上にわたる活動で、これまでに300人近くが研修を受けました。
手に職をつけて独立した女性もたくさんいるそうです。
この仕事のおかげで子どもに教育を受けさせることができたという人も多い
ことでしょう。
現地に直接足を運び、ケニアの人びとと歩調を合わせながら、
質の良い製品を日本に届けたいと奔走している日本人の方と出会ったのが
きっかけで、この商品の取り扱いをすることができました。
気持ちまで温まりそうな、あったかケニア産ウールのお話でした。