カゴアミドリ

               

こぎん刺しのこと

あけびのかごとこぎん刺し展、二日目。
今日は、こぎん刺し製品について、基本的な説明をしたいと思います。

こぎん刺しとは、青森の津軽地方に伝わる日本の三大刺し子の一つです。
津軽では、野良着のことをこぎん(小布、小巾)と呼んだことから、
この名がつけられました。

左側の野良着は、作り手さんがおばあちゃんから受け継いだもの。
この地域特有の模様(西こぎん)である、魔除け(轡繋ぎ模様)が刺されています。

寒冷な津軽では、木綿の栽培が困難なため、人々は古くから麻布の衣類を
着用していましたが、江戸時代中期になると木綿の糸が手に入るようになりました。

そこで、農家の女性たちは、粗い麻布の隙間を縫うことで、耐久性を備えたあたたかい
衣類に仕上げ、いつしか特有の装飾を施すようになりました。

手前のポーチはオリジナルで製作いただいたもの。
クルミ、ひょうたん、ネコ、お花が描かれています。

菱形模様の中に描かれるのは、津軽のくらしに身近な食べものや自然、
そしてたくさんの生きものたち。
300年近くの間、津軽の女性たちによって伝えられてきた手仕事です。
ぜひ実物を手にとって、感じていただければ幸いです。

いとう

最新のニュースへ戻る

過去記事