スペインの伝統的なかごとして、真っ先に浮かぶのは栗のかご。
スペイン北西部カスティリヤ地方の村に伝わるものです。
自然豊かなこの土地で、いつも当店にかごを届けてくれるのは、代々
父から技を受け継いできた、5代目の職人さんです。
日本では珍しい、栗のかごづくりの特徴についてお聞きしてみました。
周囲を山々に囲まれた、谷あいの美しい村 |
ー素材となる栗の木は、どのように調達しているのですか?
みずから伐採しています。伐採を行うのは、樹液の少ない冬の間です。
植林ではなく、自生している野生の木を利用しています。
とはいっても、適切な太さのものを伐るというだけではなく、
よい枝に育つように、芽が出たときから手を掛けていく必要があります。
ー樹齢は?
5年から8年の、若くて柔軟性のある木を使います。それ以上になると
弾力が下がってしまうのです。
ー良質な天然木の入手は簡単ではないと思いますが、必要な木材を
十分に手に入れることはできていますか?
自分たちが所有している林に関しては、計画的な見通しを立てながら
管理を行い、素材を得ることができています。
専用の刀を使って、薄い板を一枚一枚削り上げていく |
昔と変わらぬ手法で、またたく間に 組み上げられていく栗のかご |
これからも、森と向き合いながら技を守り、スペインならではの
栗のかごを、次世代に伝えていってくださることを願っています。