この夏、いつもお世話になっているフランソワさんなど、
フランス国内で活動している職人さんの工房にお邪魔して
お話を伺ってきました。
フランソワさん一家が暮らしているのは、フランス南西部、
アキテーヌ地方の豊かな自然の中。
自宅と、工房、倉庫、そして広い敷地の中には、みずからの手で
育てているヤナギの畑が広がっていました。
かご作りの仕事には、多くの知識と経験、手間と時間が必要ですが、
フランソワさんの場合はさらに、材料の栽培にも多くの情熱を
注いでいることを、今回の訪問で実感することができました。
できるだけ自然の循環を大切にしたいという思いから、肥料も自家製の
ものを使用するなど、健康的な畑づくりにこだわっています。
かごを実際に作る上で大切にしているのは?と問いかけてみると、
シンプルなデザイン、そして伝統的な形をベースにしつつも、より使いやすく
バランスのよい形を常に探すこと、だと答えてくださいました。
手製の木型や、使い込んだ道具も とても絵になります。
きれいに仕上がっているかごも、フランソワさんから見ると
「完璧とは言えない」こともあるそう。作り手にしか分からない
さまざまな心くばりが、独特の端正さをそなえたかごを
生み出しているのだと感じました。
もともとは環境エンジニアリングの専門家としてコンサルタントの仕事を
していたフランソワさん。
かごとの出会いは、1999年のことだったそうです。
この年の終わり、台風のような低気圧がフランスをおそい、川の増水や
倒木など、各地に大きな被害が出ました。
嵐が去ったあと、地面に散乱していた木の枝をひろって、なにげなく作って
みたのがひとつのバスケットでした。
このちょっとした遊びがきっかけとなり、その後急速に、かご作りの世界へと
引き込まれていくことになったのだそうです。
自然に負荷をかけない天然素材を生かせること、自立した環境で仕事に
打ち込めること、3人のお子さんとともに家族で過ごせる時間が取れるように
なったことも、かご作りを仕事とすることの魅力だと語ってくれました。
このような環境の中で、ひとつひとつの手作業によってうみだされる
フランソワさんのかご。このたび再入荷しましたので、
ぜひご覧ください > ☆