カゴアミドリ

               

スペイン 栗のかごの産地へ(後編)

スペイン西部の山間部の村で、栗のかごを製作しているダビドさんの工房にお邪魔してきました。

工房の前に、栗の枝が気持ちよさそうに天日干しされているのをさっそく発見!

枝は、伐採された後すぐに大きな釜を使ってボイルし、表皮をはがして4つ割りにしたあと、数か月間干して完全に乾燥させます。しっかりと乾燥させたら、2種類の機械をつかって、うすい板状に加工していきます。

機械が導入されたのは比較的最近のことで、それまでは鉈(なた)を使ってすべてが手作業で行われていたそう。とはいえ、両側に人が立って操作するこの作業も、半分以上が手仕事といえそうです。

これで下準備が完了。
板状に加工した素材は、長期間にわたって保管することができます。

つづけて、かご作りの過程を拝見しました。

編みはじめは、底部分から。

ダビドさんがかご作りに使う道具は、この大きくカーブした鉈のみ。おじいさん、お父さんと代々受け継がれ、使い込まれて渋い光を放っていました。

作業は流れるように進んでいきます

道具のひとつひとつから、歴史が伝わってくるよう

完成しました!

 
周囲を山に囲まれたダビドさんの村では、古くから栗の木をさまざまに生かして、暮らしが営まれてきました。かご作りはダビドさんの家に代々伝えられてきた家業で、ダビドさん自身は、少なくとも4代目になるとのこと。

今もスペインの人びとに愛されて続けているこの栗のかごを、次の世代に伝えていきたいと語ってくださいました。
八百屋さんの店頭で見かけた、山盛りのクルミを入れた大きなかご

こちらは別の食料品店

教会の入り口でも、さりげなく使われていました

→「スペイン 栗のかごの産地へ」(前編)は こちら

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