宮崎・日之影町で三代続く「わら細工たくぼ」さんとの共同企画展が今年もスタートしました。
2018年以来、欠かさずこの時期に開催してきた「たくぼ展」は、今年で8年目。リピーターの皆様にも楽しんでいただけるよう、毎回打ち合わせを重ねながら、あたらしいアイデアや取り組みに挑戦しています。
現在のたくぼの中心メンバーは7名。今年は新たに2人の女性メンバーが仲間入りし、工房もやわらかでにぎやかな雰囲気に。(ほかにも農作業や選別を手伝ってくださる地元の方々がいらっしゃいます。)
今回はみなさんから自己紹介文を送っていただきましたので、ぜひ一読ください!
甲斐 稔 さん
・たくぼでの好きな仕事(作業)
新しいわら細工を考案し、試行錯誤しながら出来上がる過程が楽しい。
・休みの日の過ごし方をおしえてください
魚釣り、日本ミツバチの養蜂、尺八(琴古流、準師範)です。
・心にのこる本/漫画/音楽/映画は?
藤沢周平や郷土の歴史を描いた本が好きです。
・茶碗いっぱいのご飯と一緒に食べたいおかずorご飯のお供は?
妻が作る高千穂牛の肉じゃが。
・今後の夢・目標・野望は?
今までの経験を活かし、体力の続く限り仕事を続けていくこと。
・略歴(たくぼで働くようになるまで)を教えてください。
農業の傍ら、両親と祖母がしめ縄作りをはじめる。
幼少の頃より、そのしめ縄制作をそばで見ながらも、実は近所の竹細工職人に憧れていた。地元の焼酎会社に就職後、仕事に打ち込む。仕事が面白くなっていく中、父が急逝し、会社勤めの傍ら35歳の時から母と2人で年末のしめ縄作りを行い、わら細工職人の道へ。
父が一番好きだったしめ縄作りを続けていくことが、母や家を支えていくことになる、という信念で、家業を継続。会社勤め・米作り・わら細工の両立という、一見難しそうなことを「できない」と諦めるのではなく、「どうやったらできるか」を考え、新しい作品を考案し、商品化、現在に至る。
・みんなから見た稔さん
しめ縄の時期には信じられない気力と体力を発揮し、信じられない数のしめ縄を綯いあげるわら細工たくぼの2代目。たくぼ随一のアイディアマンでもあり、祝結びや横綱結びなど、今あるわら細工の多くを生み出し、毎年干支のわら細工も自由な発想を持って作り上げる。男性陣の中では一番の話好きで、漫談のような面白おかしい話で作業場の雰囲気を和ませる。力の抜き方を教えてくれる、頼もしい存在。
甲斐 陽一郎 さん
・たくぼでの好きな仕事(作業)
地元の神社や旅館などの大きなしめ縄づくり。時に生き物のような気がしてくるしめ縄に「一縄入魂」の気概で向き合う。
・休みの日の過ごし方をおしえてください
家族と公園や温泉にいき、休日もとにかく全力で過ごしている。
・心にのこる本/漫画/音楽/映画は?
漫画『はじめの一歩』。
私が10歳のころに始まった一歩の物語が現在も進行中で、いつの時代も私を励ましてくれている。
・茶碗いっぱいのご飯と一緒に食べたいおかずorご飯のお供は?
しょうがの味噌づけ(お米の味がめちゃくちゃ引き立つ。祖母の味。)
・今後の夢・目標・野望は?
世界中の人にわら細工たくぼを知ってもらうこと。
・略歴
北海道教育大学を卒業後、宮崎県で10年教員をする。
天職だと疑わず走り続けたが、2014年に足が止まり退職を決意。退職後、今後の人生を模索し、わら細工を生業にすることを決める。前職を辞めるにあたり沢山の方々に迷惑をかけ、またこの仕事を始めるにあたっても心配をかけた経緯があり、その想いが今の自分を奮い立たせ続けている。目に見える形で成果が出るものづくりが楽しく、仲間も増え、日々わら細工を制作中。
・みんなから見た陽一郎さん
個性豊かな(本当に)たくぼの面々をまとめる要となる、わら細工たくぼ3代目。精巧なわら細工から巨大なしめ縄まで、ありとあらゆるものを作り上げる。現在は個人製作活動「綯吉」を始動させ、わら細工の新たな可能性を探求中。まだ見ぬわら細工の高みへ。初期の真っ直ぐなひたむきさは残しつつ、二児の父になってやわらかさも加わり、その背中について行きたいスタッフ一同です。
山木 博文 さん
・たくぼでの好きな仕事(作業)
ひたすら縄を綯うなど、ひたすら同じ作業を続けること。
・休みの日の過ごし方をおしえてください
古道具屋巡り、美味しいものを食べる。
・心にのこる本/漫画/音楽/映画は?
The Tourist – Radiohead
ムーミンシリーズ – トーベ・ヤンソン
・茶碗いっぱいのご飯と一緒に食べたいおかずorご飯のお供は?
バチバチにスパイスが効いたカレー
・今後の夢・目標・野望は?
よく働き、よく暮らす。わら細工たくぼの魅力を世界中の人に知ってもらう。
・略歴
1990年11月東京生まれ。横浜育ち。たくぼ歴8年。
趣味は古道具を集めること(錆好き)。たまに枝採集。大学、大学院で遺伝学を研究(研究対象はペンギンと盲導犬)。ハードな研究生活で心身ともに疲弊した中、ふと訪れた日光国立公園の自然に心震え、自然に携わる仕事がしたいと考える。大学院を修了した後、自然豊かな場所に身を置きたいと、農村ボランティア「緑のふるさと協力隊」として日之影町にて1年間活動する。
自然の美しさに癒され、日之影の人々の温かさに触れる中、活動先のひとつであった「わら細工たくぼ」の自然とともに仕事を行い、人々の暮らしや想いに寄り添うことができるようなものづくりをする姿に強く惹かれ、この仕事で身を立てていくことを決意。翌2016年に移住をし、藁にまみれながら日々仕事に奮闘中。
・みんなから見た山木さん
横浜出身の仕事ガンガンやる系男子。高校の卒業文集のひと言欄に書いた言葉は「Why don’t you do your best?」(TRICK、懐かしいですね)。わら細工たくぼ初の移住者。昔は後輩キャラだったそうだが今では作業場をまとめる存在に。現場のタイムスケジュール管理、10時と3時のおやつ担当。たくぼの魅力を皆さまにお伝えできるようなブランディングも手掛ける。
佐藤 響 さん
・たくぼでの好きな仕事(作業)
ひげ切り。黙々と、どこまでも。
・休みの日の過ごし方をおしえてください
日常の買い出し兼ドライブ。
・心にのこる本/漫画/音楽/映画は?
鬼束ちひろ「This Silence Is Mine」
・茶碗いっぱいのご飯と一緒に食べたいおかずorご飯のお供は?
梅干し(はちみつ風味)
・今後の夢・目標・野望は?
フルマラソン完走。日本全国をぶらり。
・略歴
高千穂町出身。たくぼ歴 6年。高校の同級生だった代表がわら細工職人を生業にした時、IT化の波の中、その選択が印象的であり、各地のたくぼの展覧会を観に行く(新幹線に初めて乗る)。会社員をしながら、先行きに不安を感じていた当時、モノづくりは未経験だったが、農作業などできることがあるかもしれないとたくぼに就職。
・みんなから見た響さん
淡々と、日々淡々と、そして黙々と仕事をこなすまさに職人。たまにラジオの面白い話に顔が緩んでいるのはここだけの話に。マジック愛好家という驚きの一面もあり、たくぼの飲みの席ではマジックを披露してくれることも。代表の甲斐とは高校の同級生。意外と足が長くてモデル体型。
小野満 陽光 さん
・たくぼでの好きな仕事(作業)
鍋敷き編み込み、亀の甲羅編み、しめ縄のヒゲ切り(大きいほど良い)、農作業
・休みの日の過ごし方をおしえてください
登山、蕎麦栽培、そば打ち
・心にのこる本/漫画/音楽/映画は?
UNISON SQUARE GARDEN、彼らの自分たちの音楽を貫き、高みを目指し続ける姿に敬愛の念が止みません。
・茶碗いっぱいのご飯と一緒に食べたいおかずorご飯のお供は?
〇〇丼
・今後の夢・目標・野望は?
たくぼが、そして自分自身が農村の夢であり続けること。
・略歴
千葉県印西市出身。たくぼ歴4年。
東京農工大学在学中に受けた講義をきっかけに、“農村”に興味関心を持ち、大学及び大学院にて農村計画学を専攻。これまでの人生で関わることのなかった農村で暮らしてみたいと、1年間休学をして農村ボランティアプログラム「緑のふるさと協力隊」に参加、宮崎県日之影町に派遣される。さまざまな活動をする中でわら細工たくぼと出会う。農村をとりまく農業の厳しい現状を目の当たりにする一方で、稲作とものづくりを生業にしているたくぼに大きく惹かれる。同大学院を卒業後、2023年4月より日之影町地域おこし協力隊としてたくぼにて活動中。
・みんなから見た小野満さん。
担当する仕事は多岐に渡るが、どんな仕事でもやってのけるたくぼ最年少の飄々系男子。怒るという感情が湧かないと聞いたことがあるけど、ほんとですか? 初期の線の細さも今は昔、どんな作業でもどんと来い。春の陽射しのような穏やかスマイルで未来を切り拓け!
栗山 愛 さん
・たくぼでの好きな仕事(作業)
亀の輪っか作り
・休みの日の過ごし方をおしえてください
草切り、田んぼの草引き(夏)、山あそび(春は茶摘み、冬は薪あつめ)
・心にのこる本/漫画/音楽/映画は?
本:モモ(ミヒャエル・エンデ著) 時間泥棒はいると思います。
映画:リトルフォレスト、アメリカンユートピア
音楽:ありすぎるので割愛。
・茶碗いっぱいのご飯と一緒に食べたいおかず or ご飯のお供は?
まんまる揚げ(大豆といりこを揚げて甘辛く炊いたの)
・今後の夢・目標・野望は?
ヤギと馬とともだちになる。
・略歴
福岡県出身。たくぼ歴1年。
幼少期を長崎県佐世保市で自然の中のびのびと過ごす。幼いころからの食いしん坊が過ぎてオーガニックレストランに従事。その後外国で暮らしてみたいとグアテマラで過ごす。そこで出会った友だちが高千穂出身だった縁で、高千穂で暮らし始める。田んぼを中心とした暮らしをしながら、農作業手伝いやパン屋で働いたのち、たくぼへ。
・みんなから見た栗山さん
何事もとにかく真っ直ぐ全力で。仕事を始めて3日目には、もんぺを履きマイ時計を持ち込んで時間を計りながら作業をするようになり、あまりの大型新人感にたくぼが揺れた。驚きの丈夫さも兼ね備え、どんな過酷な農作業でもなんでもござれ。スカッと明るく大きな笑い声はたくぼの未来を明るく照らしてくれるはず。たくぼの盛り上げ隊隊長兼食いしん坊担当。
深井 早智 さん
・たくぼでの好きな仕事(作業)
しめ縄に付ける房の金テープを巻く作業。地元のおばちゃんたちとたわいもない話をしながら作業するのが楽しいです。
・休みの日の過ごし方をおしえてください
その日の気分次第です。一日ごろごろする日もあれば、遠くへ繰り出す日もあります。
・心にのこる本/漫画/音楽/映画は?
本は読まないので、映画を。王道中の王道ですが「ローマの休日」、結局ミュージカルが最強「雨に唄えば」、エンタメには圧倒的にハッピーなものしか求めていません。
・茶碗いっぱいのご飯と一緒に食べたいおかずorご飯のお供は?
いくら
・今後の夢・目標・野望は?
愛嬌のあるおばちゃんになること。おばちゃんになることは止められないので、せっかくなら愛されるおばちゃんになりたいです。
・略歴
大阪生まれ大阪育ち。たくぼ歴1年。
大学時代は建築をつまみ食い程度に学び、卒業後は、大学職員として勤務。仕事をしながら、ヒンメリ(フィンランドの伝統的な麦わらのモビール)の製作活動をし、ワークショップや個展などを開催。ものづくりをする中で、わら細工たくぼに出会う。麦わらと稲わらには穀物・主食・お守りや縁起物といった共通点がありながら、生み出されるものの違いに強く心が惹かれる。たくぼに出会って8年目に様々なタイミングが合い、2024年より地域おこし協力隊として日之影に移住し、たくぼで活動開始。
・みんなから見た深井さん
たくぼで取り残されがちな事務作業をなんでも快く引き受けてくれる。梱包作業など煩雑な仕事もこなす頼もしい存在。一方で話し出したらどこまでも、その持ち前の滑らかなトーク力と明るい笑顔でお客さんの心をがっちり放さんでー! 麦と稲、ふたつのわらを自由に行き来。
テトラ
・たくぼでの好きな仕事(作業)
田んぼの見回り、おもてなし(お客さんが来たらさっと姿を現す)
・休みの日の過ごし方をおしえてください
休みの日なんかありません。毎日仕事です。
・心にのこる本/漫画/音楽/映画は?
かえるの合唱(捕まえに行きたくなります)
・茶碗いっぱいのご飯と一緒に食べたいおかずorご飯のお供は?
おかずはいりません。カリカリがあれば。
・今後の夢・目標・野望は?
世界平和。世界中の猫にわら細工たくぼを知ってもらうこと。
・略歴
幼いころたくぼにやってきた。昔は抱っこされ作業を見守っていた。(今は抱っこ苦手)
かつてはたくぼ2代目と連れ立って、散歩と尺八をたしなんでいた。(聴く専門)
14歳と高齢になった今も朝3時に稔さんを起こして、田んぼの水見回りを知らせる重要な任務を続けている。
・みんなから見たテトラさん
小野満さんに撫でてアピールをする。(小野満さんが大好き)。
冬は特等席(ストーブ前)を陣取る。一見コワモテだが滅多なことでは怒らない広い心を持っている。動物が苦手。たぶん自分のことを人間だと思っている。
