いよいよ工房内での縄飾りづくりの作業に移ります。
青わらを必要な長さに切断してからは、本当に瞬く間の作業の連続でした。
手も足も、全身を使いながら、わら細工のかたちがつくられていくその過程は写真でご覧ください。
徐々に縄細工のかたちが現れ、、、完成したのは『祝酉(いわいどり)』。
「幸福をトリこむ」という語呂合わせで縁起のよい、たくぼさん定番の縄飾りです。
そして今回、当店用にひと手間加えていただいた特別仕様を製作いただけることに。
なんと「カゴアミトリ」と名付けていただきました!
まもなく当店での販売を予定していますので、ぜひご期待ください。
今回の訪問を通して、かつての身近な道具として「縄細工」に親しみをもっていたけれど、実はその背景をほとんど知らなかったことを
あらためて気づきました。
もともと農家さんの「副業」で続いてきた伝統が、このままでは続けられなくなってきている現代の状況。ならば、自分が「専業」の職人となることで、時代の流れの変化にも対応し、この伝統を継いでいこうと決意した甲斐さんの気持ちががすこし分かったような気がしました。
わら細工も、かごづくりも、自然と寄り添いながら続いてきた基本的な暮らしの営みの一つ。今はその重要性が薄くなりつつありますが、だからといって途絶えてしまってはあまりにもったいない。単に道具や技術だけではなく、人と自然の関係や、地域の人と人とのつながりも一緒に消えていってしまうのではないかと思います。
手仕事とは、これまで何世代にもわたって積み重ねられてきたひとの知恵の結晶、いつかその損失の大きさに気づく時代が来ないとは限りません。
「わら細工 たくぼ」甲斐陽一郎さんの仕事。ぜひあらためて、実店舗での企画展という形で実現できればと思っています。ご期待いただければ幸いです。