本日、長野・伊那谷で活動する竹細工職人・井上湧さんの個展がスタートしました。
すがすがしい、竹の香りが店内に広がっています。
14歳から竹細工をはじめてからこれまでの6年間、国内のさまざまな職人を訪ねて、技術を引き継いできた井上さん。
さらに、自身のアイデアや工夫を加え制作した、さまざまな青竹の道具が並びました。
丸笊、楕円笊。
水の切れが早く、手当たりもやさしいつくり。細かな目の間にものが挟まらないように、竹ひごは三角に削る「面取り」を施しています。
御用籠は、強度を最優先したつくりとかたち。
新潟・佐渡島に伝わる技術を、先輩の職人を通じて間接的に教わって身につけたのだとか。
もともとは「御用聞き」の配達かごとして、自転車やオートバイの荷台に取り付けるなど、タフな環境で使われてきました。瓶や食品など、重量のある食品のストックなどにも最適です。
ごく細い竹ひごをこまやかに編み上げた「茶漉し」と「コーヒードリッパー」。
持ち手部分は、無垢の桜(古材)を利用。木曽産の本漆を塗って仕上げています。
茶碗籠は、丸と楕円の2タイプ。通気性のよい六つ目編み+上げ底のつくり。
上下に縁巻きを施している、贅沢な仕様です。長野県北部の「根曲竹」を使用した茶碗籠を参考に、「真竹」で仕上げたもの。
お出かけ用の手提げ籠は、2サイズ展開。
LサイズはA4ファイルが収まるように設計され、レザーの取り付けも自身で行っています。
かつて暮らしの必需品だった青竹細工が、これからの未来にとっても必要とされるものであるように。使うほどに手に馴染み、人とともに育っていく道具としての竹細工を探求し続ける井上さんの姿に、触れていただければ幸いです。
井上湧 個展 -竹の道具-
5/26(金)~6/12(月)
11:00~17:00 ※水木金 休み
在店日:5/27.28、 6/3.4 (土.日)