【国立店】「わら細工たくぼの仕事展」はじまりました

毎年恒例、今年で6年目となる「わら細工たくぼ」さんの企画展がスタートしました。

初日には、たくさんの方に足を運んでいただき、大変ありがとうございました。

10年ほど前、宮崎・高千穂に家族で旅行中の際に、偶然たくぼさんのわら細工に出会って持ち帰ったという女性。たくぼさんの工房を直接訪れて、ワークショップを体験してきたという男性。家族に頼まれて初めて来店したというお客様など、さまざまなきっかけで企画展を知ってくれた方がいらっしゃいました。

そして今年も、フォトグラファーの川しまゆうこさんが、展示初日の様子を撮影しに来てくださいました。たくぼさんの工房を何度も訪ね、季節ごとの仕事とうつくしい棚田の風景を一冊にまとめたフォトブック「わらしべを巡る」も取り扱いさせていただいています。

     (本記事の写真は、すべて川しまさんに提供いただいています)

 
また、恒例となっている「新作のわら細工」の発表は、今回も力が入っています!

こちらは、たくぼ二代目・甲斐稔さんによる『日本一の宮崎牛』です。

「昔は牛の力を借りて田んぼを耕していました。秋にとれた藁は牛の餌となり、その牛の糞は肥料として田んぼに戻し、稲作の循環の真ん中に牛がいました。
今でもこの地域は牛の繁殖農家が多い地域で、たくぼの捨て藁もその多くが近くの農家さんの牛の餌になります。宮崎県は和牛日本一の県です。宮崎牛を応援する気持ちを込めました」

 

続いては、たくぼの若き職人・山木博文さんの藁のランプシェード『TORINOSU』です。

「藁を蝋引き紐で編み込んで制作したランプシェードです。
藁の穂先部分のみを用いることで“藁らしさ”を全面に出したシェードにしました。
灯りを点けては勿論、点けなくても独特な風合いの藁のシェードをお楽しみいただけます。」

 

こちらは、佐藤響さんによるフレームワーク『岐路』

「縄を組み合わせたり分解したりして様々な形状の縄をフレームに収めました。
縄を人生に見立てた時、途中で枝分かれして道を変える者もいれば、まっすぐに進んでいく者もいるという時間軸を表しています。背面の白黒は選択によって生じる対照性を表現し、タイトルを『岐路』としました。」

 
最後に紹介するのは、たくぼの3代目・甲斐陽一郎さん渾身の作、
【綯吉】稲藁の籠『touch』です。

「藁の特性を最大限に生かし、強度と美しさを両立したカゴに仕上げました。
カゴの表面に見えている部分は、稲の成長で最後に出てくる稲穂を支える部分で、光沢さえ感じられるほどの美しさがあり、その材料を用いて丸みを帯びたフォルムにすることで「つい触りたくなるカゴ」に仕上げたいと考えました。

取っ手の部分はカゴに大きな負担を与えず強度を持たせるため、細縄を6か所ずつ通し束ねることで強度と見た目のバランスをとりました。この技法を用いた仕事は2年ぶりでした。

このカゴづくりはこれまでにないチャレンジで、制作過程の現在地をゴールイメージから逆算しながら慎重に作業を積み重ねていきました。
このカゴを通して藁の魅力を再発見していただけたら幸いです。」

※こちらのみ非売品となります。
甲斐稔さん、山木さん、佐藤さんの作品はお買いお求めいただけます。(会期終了後のお渡し)

 
今年も、藁という素材の魅力がたっぷり詰まった「わら細工たくぼの仕事展」をぜひご覧ください!

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