『蒜山のがま細工 展』がはじまりました。
岡山県・蒜山高原に伝わるヒメガマのかごづくりに光をあてた、当店初の企画です。
「蒜山がま細工生産振興会」さんにとっても初個展となる今回。
定番の手提げかご(4サイズ)に加え、企画展用特別サイズ、新作となる収納かごも多数製作していただきました。
素材の採取、製作風景の動画も上映中
こちらはキッチンにお使いいただきたい収納かご
たいへん見ごたえある品揃えとなっておりますので、ぜひたくさんの方にご覧いただければと思っております。
「百日雪の下」とよばれる西日本有数の豪雪地帯、岡山県北部・蒜山高原をはじめて訪れたのはある雪の日でした。
最寄りの高速道路のICを降りると一面の銀世界。東北地方の日本海側を旅しているかのような第一印象です。雄大な蒜山三座をのぞむ、おだやかな田園風景の中に「蒜山がま細工生産振興会」の工房はありました。(2014年1月の様子)
古い小屋の階段をのぼると、にぎやかな笑い声が。
この地で600年以上の歴史をもつ、がま細工の伝統をつなぐため、雪深い季節を中心に活動しているおかあさんたちが、たのしそうにかごを編んでいました。
木製の「コモゲタ」とよばれるガマの織機をつかい、絶えず手を動かしながら飛び出す、冗談と笑い声。これほどたのしそうな工房に伺ったことはありません。
うつくしいがま細工とともに、そんな工房の雰囲気も一緒にお伝えできればと、ヒメガマの採取から製作まで、何度も足を運んで取材を行い、作り手のみなさんとともに企画展の準備をすすめてきました。
9月下旬 ヒメガマの採取
11月 川でシナの樹皮を取り出す作業
おだやかな春の陽気が近づきつつあるこの時期ですが、蒜山高原の雪景色のなかで続いてきた、あたたかな手仕事の様子をお伝えできればと思っています。
2021年12月