カゴアミドリ

               

enplus中島さんのおはなし会

2年ぶりの開催となったenplus(オンプリュ)の展示会が終了しました。

ケニアに足しげく通い、現地の手仕事を日本に紹介する仕事をはじめて14年になるオンプリュさん。代表の中島志保さんに、お仕事のこと、ケニアのことなどじっくりと聞いてみたくて、5月19日におはなし会を開きました。

オンプリュさんのメインアイテムといえば、カンバ族の女性たちが手掛けるサイザルのバッグ。

ケニアの代表的な手仕事の一つで、使うほどになじんでいく風合いが魅力です。オンプリュさんが扱うものは、とりわけシンプルでかわいいデザインが多く、たくさんの方が愛用されています。

その製作はすべて手作業。編む工程だけでも1、2週間もの時間を要します。

リュウゼツランの葉から、白い繊維を取り出し、

太ももをつかって繊維に縒りをかけ、丈夫な紐に。

薪で湯をわかし、大鍋の中でサイザル糸を染色。

ようやく、編みはじめます。

それぞれの場所で、それぞれのペースで、
女性たちの手で、こつこつと編み進められていきます。

 

今回おはなしを聞いて、中島さんが年に何度も産地を訪ね、行っている検品~輸送のお仕事にも、想像以上のたいへんさがあること実感しました。

生産者から製品を直接受け取ると、その場でひとつひとつチェック。基準に満たない場合は、直せる程度のものであれば、具体的に手直しを指示します。時に数百点ものかごを一日がかりで検品した後は、ものを握る力もなくなってしまうのだとか。

はじめての製作依頼をした作り手さんに、半年後に会いに行ってみると、まったく完成していなかったことも。なぜ、と問いただすと「本当にまた戻って来るとは思わなかった」と言われてしまいます。でも、そこでがっかりして終わるのではなく、作り手の信頼を得るにはどうしたらよいか、と次の策が考えられるのが中島さんのすごいところだと思いました。

たとえば、作り手の皆さんが暮らす地方の町では、女性らしいスカート姿のほうが好まれるそう。ケニア国内の移動にはパンツ姿の方が快適ですが、スカートやカンガ(ケニア伝統柄の布)を身に着けて行くとみんな喜んでくれるので、と、ちいさなことではあるけれど服装にも気を配っているそうです。

「私もずっとこの仕事を続けていくから、一緒にがんばってほしい」と作り手を励ましつづける中島さん。その言葉は、女性たちの心に、たしかに響いているのだろうと感じました。

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