今回で3回目となるスウェーデンの白樺細工職人・ブロールさんの「ネーベルスロイド 展』がはじまりました。
スウェーデンの人口は約1000万人ほど。国土は日本の約1.2倍で、そのうち3分の2がまだ手つかずの原野という自然が豊かな国です。
調和を好み、ちょっと内気なところもある気質や、自然を愛しシンプルさを美ととらえる感覚など、日本人との共通点も多いといわれているそうで、スウェーデンの人になんとなく親しみを感じているという方が多いのは、そのためなのかもしれません。
そんなスウェーデンより、かご職人のブロールさんが白樺のカゴとともに、今年も日本にやってきてくれました。
革のようにしなやかな白樺の樹皮は、スウェーデンやフィンランド、ロシアを中心に、はるか昔から北国に生きる人々の暮らしを支えてきた、とても優れた素材です。
きびしい寒さや乾燥から木の本体を守るためのコートのような役割を果たす樹皮は、コルクのように厚みがあって水に強く、加工にも適しているのが特徴。
ほそ長いテープ状にカットしてかごを編む技術は、数百年前にフィンランドからスウェーデンへと伝わってきたそうです。
西部のヨテーボリで、40年にわたり白樺細工を続けているブロールさんが作るかごは、こうした伝統を踏まえつつ、ちいさな工夫とアイデアが随所にのぞく 手間ひまのかかった作りが特徴です。大きな体、太い指先から、これほど繊細な作品がうみだされることに、見るたびに驚きを感じます。
荒れ地に森を育て、樹液で生きものののどを潤し、よく燃える幹が人々に暖を届けてくれる白樺の木。マザーツリーとも呼ばれ、北の国々で大切にされています。
あたたかな森の恵みを、この冬お部屋に置いてみてはいかがでしょうか。