続いてお会いしたのは、わら、水草、樹皮などなど、
かつてこの国の各地で使われていたさまざまな素材を使用し、
昔の技法を用いてかごを編むことのできる、貴重な腕の持ち主でした。
作り手であると同時に、考古学の先生でもあり、大学での講義も
うけもっているそう!
みずから採取しているというさまざまな植物や、それらを使って再現した
古い技法の編み組作品などを見せていただきました。
かご素材のコレクション。
わら、葦、い草、ガマ、シナノキや白樺の樹皮、
パインの根っこなどなど、、、
こちらはリンデン(シナノキの仲間)の
樹皮から採れる薄皮の部分。
撚りをかければ、丈夫なヒモになります。
遠く離れたバルトの地であるにもかかわらず、こうして見ると
日本のかご素材との共通性が多いこと!
地球上のどんな地域でも、人はできるだけしなやかでよく曲がる草や
つる、強靭な繊維が得られる植物をさがしつづけてきたんだなぁと
なんだか感じ入ってしまいました。
加工方法や、道具の形などにも似ている点は多く、ここリトアニアにも
先人たちの貴重な試行錯誤の跡がのこされていました。
ベリーやマッシュルームの収穫に使われた肩掛けのバッグ。
アイヌの人々がつくる「サラニプ」を思い出しました。
かつての暮らしの中で活躍した様々なマット。
リンデン(シナノキ)の樹皮や繊維、い草を使い
たくみに再現したもの。
こちらは小さな博物館で見かけた、展示の一場面。
今ではほとんど見かけることのない草のかごも
多く並んでいました。
北海道よりも少し小さな国土に、300万人弱の人びとが暮らす、リトアニア。
たっぷりの自然の中に、暮らしやすいサイズの街が点在していて、
人と自然のかかわりの深さを実感する旅となりました。
たくさんのすてきな出会いと、みなさんの優しさを胸に、
次の訪問地、フィンランドへと向かいます。