バスケタリー作家の本間一恵さんを訪問しました。

先日は、いつもお世話になっているバスケタリー作家の本間一恵さんの
ご自宅を訪ねてきました。

まずはじめに目の前に飛び込んできたのは、かごではなく「鳥の巣」。

カゴ編み名人のハタオリドリ(weaver bird)は、数種の編み方をマスターしていて、
くちばしを器用に使って立派な巣に仕上げていきます。
(当店の名前はここからヒントをいただきました)

否応なしに期待が高まってきます!

各々、自分の興味があるかごを探しつつ、
時折、本間さんの解説も聞けるというなんとも贅沢な時間!

以前は銭湯だったという場所で、かごの収納に使われているのは、
たくさんの扉があるカギ付きのロッカー。

1000点を超える世界中のカゴが収納されており、一つ一つの扉を開けるのが
なんとも楽しい!

その分類方法についてですが、産地や素材、形の違いではなく「編み方」。
必要に応じて、かごを編み解いて技法を読み解くこともあるのだそう。

 こちらは飯行李。兵庫県のものでしょうか?
かなり使い込まれたやまぶどうの鉈入れ。
 こちらは何でしょうか?
 正解は、トウモロコシのビールに使われる「漉しかご」
(かごに関する書籍や資料もたくさん所蔵されていました)

ブルキナファソのかごは、螺旋状に巻いた技法が特徴的で、
これはフランスのペリゴール地方のかごと多くの共通点あるそう。
ひょっとしたら古い時代になにか文化的な交流があったのかもしれません。
かごの編み方をみるだけでも、いろいろ想像が膨らみますね。

本間さんは、縄文や弥生時代の遺跡から出土した、かごの復元にも携わっています。
こちらは「縄文かご」のレプリカ。
手のひらに乗るほどの小さなかごは、ドングリを集めて使っていたのかもしれません。

数千年前に編まれたかごの作り方を紐解き、忠実に復元する作業は、
当時このかごを編んでいた人々の気持ちに近づいている感じがするそうです。

それにしても、この時代にこれほど高度なかご編みの技術があったとは!
さらにいにしえの暮らしに思いを馳せてしまいます。

弥生時代のかごの復元

本間一恵さんのかごづくりに関する知識と技の数々。
いつか当店の皆様に、お伝えできるような企画を考えたいと思っています。

いとう

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