さて、次は松本へと車を走らせ、「松本民芸館」に向かいました。
松本は、大正から昭和初期にかけて広がった民芸運動の影響を
強く受けた土地の一つ。 「松本民芸家具」をはじめ、さまざまなジャンルの
クラフトが、今に受け継がれています。
この松本民芸館は、昭和30年代に、市内で工芸店を営んでいた丸山太郎氏が
柳宗悦の影響を受けて創設したのがはじまりだそうです。
到着したのはちょうど、外壁のなまこ壁に、オレンジ色の西日が差し始めた頃。
敷地全体がなんともいえない、静かで深い雰囲気に包まれていました。
太い梁にまっ白な壁。
天井の高い蔵造りの建築だけでも、十分に見ごたえがありました。
古い松本民芸家具の椅子 |
展示されているのは、丸山氏が世界各国から収集した、幅ひろい暮らしの道具。
一つ一つ眺めていると、手仕事のものに対する丸山氏の暖かい目線が
感じられるような気がしました。
その足で、中町通りの老舗「ちきり屋」さんをのぞきに。
丸山氏が営んでいた工芸品店で、今は娘さんがその跡をついでおられました。
ちきり屋さんのショーウィンドー。いつも見ても素敵です。 |
そして、この日の締めは、 食堂「信濃屋」。
松本郊外の浅間温泉で40年以上続く、昔ながらの大衆食堂です。
信州大学に通っていた友人が、よく食べたという「山賊焼き定食」。
その味とボリューム!おばあちゃんの顔を見たさに、ついつい通って
しまうのでした。
駆け足でしたが、たくさんの良いものに触れることができて、
充実した長野旅行となりました。
朝子