こんにちは。伊藤征一郎です。
先週の金曜日、東中野にあるポレポレ坐にいってきました。
ちょうど一年前、タネマキドリで活動する友人たちと企画して、
「水になった村」の上映会をおこなった時 (その時のブログ→☆)、
フィルムを貸し出していただいたのが、ポレポレタイムス社の中植さんでした。
その中植さんから、「今度、『かご編み』の上映会があるので、どうですか~?」と
お誘いを受けたのでした。
当日、会場はほぼ満員で、一部立ち見も出るほど!
映像はすべて無音なのですが、それがまた観客の集中力を高めるようです。
音の無いフィルムをみながら、感嘆の声や笑いが起こるのが、なんだか
おかしかったのでした。
上映されたフィルムは、1960~70年代にかけて、近代化されていない土地に
足を運び、撮影された貴重な映像ばかり。
南米からアジア、アフリカなどさまざまな民族の「かご編み」を見ることができました。
「かご」と一言でいっても、いわゆるかごだけではありません。
こどものおもちゃにはじまり、樹液の圧搾道具、祭司用の衣装、
ついにはドーム型の住居までつくってしまうではないですか!
現代社会と比較すると物質的に乏しく、原始的ともいえるこれらの生活の中に、
太古から続いてきた文化の大切さと、精神的な豊かさを感じてしまうのは
なぜなのでしょう?
上映の合間には、民俗学やバスケット製作に詳しいゲストによる
トークが行われました。
中でもバスケタリー作家の本間一恵さんの所有する、かごのコレクション
はとても興味深かったです。
うずらをいれる専用のかご、ビールづくりのための圧搾かご、
なんと、当店の屋号のヒントになった、かごあみ上手な鳥、
「Weaver Bird(ハタオリドリ)」の巣の実物もみることができました。
あっという間の二時間。
会場を去ったあとも、この上映会のチラシに記されていた一言を思い出さずには
いられないのでした。
「見るほどに、知るほどに頭の中には『かご』とは何か?という疑問符が増殖し、
身のまわりのあらゆるものが「かご」に見えてしまう病に。
あなたもきっと・・・。」