こんにちは。
先日は、知人から紹介をいただき、「箕」つくりの現場を訪ねてきました。
場所は、千葉県の匝瑳(そうさ)市。
九十九里浜に面した海沿いの明るい道と、小さな山と谷がつながる
緑豊かな土地が印象的でした。
今回、体験をさせていただいたのは、国の重要無形民俗文化財にも
指定されている木積地区の箕づくりです。
集合は、午前9時。
早速、「木積箕づくり保存会」の皆さんに教わりながら、材料となる「フジ」と
「シノダケ」を刈りに山に入ります!
鬱蒼とした森に入り、まっすぐ伸びた若い藤を探します。
採取後はすぐに土の中へ。
しばらく寝かせることで、樹皮や芯を取り出しやすくします。
しばらく寝かせることで、樹皮や芯を取り出しやすくします。
篠竹は足の踏み場もないくらい密集して生えていました。
採取後は、すぐに割る作業を行い、天日干しします。
ここまでの作業で約6時間ほど。
山の中でも、工房においても、ひとつひとつの作業をていねいに教えていただきました。
かつて、「箕」は長い年月にわたって、日本各地の農家で使われてきた道具。
その主な用途は、穀類や豆類の選別の役目でしたが、作物を干すためのざるの機能や、集積、運搬するかごの役目も果たし、農作業に欠かせない必需品とされてきました。
日本各地で様々な素材や形の箕が存在しますが、木積地区の特徴はその精巧なつくりにあるのだといいます。地域の農作業としての需要に加え、製粉工場など都市部からの依頼も多く、様々な要望に対応し改良を重ねていったことから、より軽くて緻密な箕が作られるようになっていきました。
その評判は県外にも広く知られたため、昭和の最盛期には年間12万枚が出荷された時代もあったそうですが、現在はわずか100枚ほどの生産量になっています。
この伝統を続けていくのは決してたやすいことではないと思いますが、その土地の文化に誇りとし、その文化を少しでも長くつなげていけるように活動している皆さんの想いが伝わってくる機会となりました。
80歳を超えたおばあちゃんの姿が、カッコイイ!
次回は、籐の花が見事に咲く、春先に訪れたいと思っています。
征一郎