満月をまって

先日、日ごろネットショップをご利用いただいているお客様が
はじめて国立店に立ち寄ってくださいました。

その時にいただいた一冊の本がとてもすてきだったので
みなさまにシェアをさせていただたいと思います。

それは「満月をまって」というタイトルの、とても美しい絵本です。

舞台は100年前のアメリカ。ニューヨーク州のハドソンにほど近い、山あいの村。
親から子へと、代々かご作りの仕事が受け継がれている村のお話です。

自然の中に暮らしながら、よい木を目利きし、丈夫で壊れないかごを
作り続ける村人たち。

彼らの静かな情熱が、その背中を見ながら成長していく
ひとりの男の子の目線で描かれています。

アメリカの著名な絵本作家のバーバラ・クーニーのあたたかな絵の中には、
かご編む暮らしのリズムや、作ることの誇りや、
技が伝わっていくということ、そして自然と人との深いむすびつきが
ギュッと凝縮されているようで、
何度も読み返し、そのたびに心に染み込んでいくような気がしました。

山の木の声をききたい、という少年のつぶやきが、ずっと心に残っています。

機会がありましたら、皆さまもぜひ読んでみてください!

『満月をまって』
 作: メアリー・リン・レイ
 絵: バーバラ・クーニー
 あすなろ書房 刊

朝子

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