東松島より戻りました(前篇)

7/6と7/7の二日間、宮城県の東松島を訪れてきました。

初日は、写真家の大西暢夫さんと、「タネマキドリ」で一緒に活動している星川さんと
仙台駅で合流し、津波の被害の大きかった沿岸域を目指しました。

大西さんの案内で、まずは南三陸町の中心部へ。
山間の道路を抜け視界が開けてくると、平らな土地はすべて焼け野原のように
広がっていて、大きな建造物以外は何も残っていない状態でした。

もし自分が3.11の当日に、この場所にいたら・・・と想像してしまいます。

海沿いに広がる公園はがれきの山と化し、展示されていたと思われる蒸気機関車が
今も車道に転がっていました。

すぐに日が暮れはじめ、夕食時。
そこで大西さんの地元の知人と、一緒に食事をすることになりました。

向かった先は、「南三陸さんさん商店街」。
復興をめざす30ほどの地元のお店が軒を連ねる仮設商店街です。

なかでも評判のお店で、「ウニ丼」をいただきました。
いや~本当に美味しかったです。

(食べ方のレクチャーを受ける?星川氏)

震災直後に大西さんと出会ったときは、大勢の避難者のために毎日必死に
炊き出しをしていたというこの女性は、はじめて会ったわれわれにもとてもやさしく、
そして元気な方でした。

でも、この方も被災者の一人。
震災以前は町の中心部で美容院を営んでいましたが、津波によって
自宅とお店を失ってしまったそうです。

しかし、現在は高台の場所にコンテナを借り、営業を再開されています!
きっと髪もさっぱり、元気もいただけるお店である事でしょう!

が・・・、これは後から聞いたのですが、この津波によって50人近い
常連客の方々を失ってしまったのだそうです。

顔見知りであるだけでなく、実際に髪に触れてのお付き合いをしてきた
この方にとって、それがどれほどに辛いことか。。。

自分の中で、日に日に震災当時の印象が薄くなってきていることを感じ、
少しでも記憶に残しておきたいと思い企画した、今回の訪問。

このように人と出会い、人の生活を通して聞いた話は、
ずっと忘れないであろうことを実感していく旅となりました。

この日はその後、宿泊先の東松島に移動しました。

翌日はいよいよ仮設住宅を訪れ、景勝地の奥松島から宮城県第二の都市、
石巻までの沿岸を巡ります。

征一郎

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