カゴアミドリ

               

東ティモールのこと

昨日は夕方から、高尾山に向かいました。
緑に包まれ沢の音が近くに聞こえる裏高尾は、汗ばむこともなく涼しく過ごせました。

今日の目的は、高尾山の自然を守る活動をしているNGO「虔十の会」さんが企画する、屋外の上映イベントに参加することです。

虔十の会さんには、以前の職場でお世話になる機会の多く、懐かしい面々にもご挨拶ができ、楽しい時間を過ごすことができました。
(上映の前に、沢沿いを案内していただきました)

上映されたのは、東ティモールと音楽を題材にしたドキュメンタリー映画「カンタ・ティモール」です。
数年前の話になりますが、フェアトレードについて関心をもちはじめたころ、NGO主催の現地農園を視察するツアーに参加しようとしましたが、仕事の都合がつかず断念したことがありました。

このときは、ただ単にコーヒー農園に行ってみたい、生産者の仕事を見てみたいという興味と、今後自分に何か支援ができることはあるだろうか? 現地に行けばなにかわかるかもしれない。。。などとあいまいな動機があっただけで、その後もこの国のことについて知ろうとしていませんでした。

今回、この映画を通して、この国に住む人たち、歴史・・・昔も今も日本がこの場所に与えた大きな影響を知りました。

常に外部からの侵略を受け、多くの人々を亡くしてきたこの国ですが、インタビューに答える人々は「悲しみは深いが、憎しみはない」と口を揃えます。

家族の命を奪った兵士さえ許せるということ。。。なぜそのような心が持てるのかとても驚き、今もうまく消化できないままです。

ただ彼らの中にある「大地とのつながり」「目に見えないものへの価値」「次の世代を見据えて行動すること」が、このような心の豊かさ、過去を許し未来を生きようとする心を育んでいる気がしました。

もちろん、悲しい事実や映像がありましたが、どこか懐かしい風景、子どもたちの明るい歌声、人々の団結や平和への強い意思が、日本に生きる我々にも多くの希望を持たせてくれる内容です。

今後上映する機会が増えてくることを願いつつ、身近な人々にこの映画の存在を伝えていこうと思っています。
そして再び、いつか現地を訪れてみたいと思いました。

関係者の皆様、すばらしい作品とイベントの運営をありがとうございました。

征一郎

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