カゴアミドリ

               

おかべかご 西薗親之さんのこと

長年にわたり『おかべかご』を手掛けてきた、鹿児島の竹細工職人 西薗親之さんが、2023年で現役を引退されました。

昨年に90歳を迎えた後も、体力の続く限りは続けたいと、当店向けにおかべかごの制作をしてくださっていましたが、年末にかかってきた電話は、「今回が最後の納品になります」とのお知らせでした。

この数年、私たちも覚悟はしていたものの、実際にさみしそうに話す西薗さんの声を聞くと、やはりぐっと胸に迫るものがありました。

最後まで律儀に、真剣に竹と向き合ってきた職人としての姿をずっと忘れずにいたいと思います。

この10年間のあいだ、西薗さんの「おかべかご」は 400人以上のお客様にお届けしてきました。
ご愛用いただいている皆さま、もしよろしければ西薗さんへのメッセージをお寄せいただけないでしょうか?
当店でまとめたものを、後日西園さんにお渡しいたします。

<<西薗さんへのメッセージ募集>>

〇メール宛先:info@kagoami.com
〇ご記入いただく内容:
  ・お名前(ペンネーム)
  ・お住まいの都道府県
  ・おかべかごのご感想
〇受付:1月31日(水)まで

「おかべ」とは、地元の言葉で『お豆腐』のことです。
ステンレスやプラスチック容器が普及する昭和の中ごろまで、竹ざるやかごを抱えて豆腐屋さんに買いにいく姿は、日本各地の日常風景の一つでした。

角物とよばれる竹細工は、九州の各県に存在しますが、鹿児島県さつま町に伝わるおかべかごはとても華かなつくり。側面やふた部分に、こまやかな編み模様を組み合わせた、この土地独自の技術が受け継がれてきました。

鹿児島で「おかべかご」が作られるようになったのはおおよそ150年も前のことだったことを、西薗さんからうかがいました。角物の技術を熊本で学んだという、最初の職人の弟子の弟子、3代目にあたるのが西薗さんです。

重箱のようにお料理を詰めて持ち歩けるのはもちろん、お裁縫道具やコスメの収納など、多彩な用途でながく愛されてきました。

お使いの皆様からのあたたかいお言葉をお待ちしております。

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