皆さん、こんにちは。朝子です。
先週はお休みをいただき、1週間かけて東北のかご産地をめぐってきました。
青森、秋田、岩手をまわって、かごが生まれる現場を訊ね、
職人さんならではのお話もたくさん聞くことができました。
そんな旅の様子を、写真とともに、数回に分けてご報告したいと思います!
最初に向かったのは弘前。
郊外はまだまだ一面の銀世界。泊った日は、一晩で5センチもの積雪でした。
地元の方のお話でも、3月末でここまで多いのは珍しいとのこと。
さっそく、お世話になっているあけび細工の工房を訪ねます。
数人の職人さんが、ストーブを囲みながら鮮やかな手さばきでかごを編んでいました。
これは縁部分に巻くための、「割り蔓」を作っているところ。
あけび蔓でも太めのものは、こうして手で半分に割いて使います。
指先で微妙に手加減をしながら、太さが均一になるように割いていきます。
わたしも挑戦させてもらいましたが、途中で切れてしまいそうで
かなり緊張しました。
材料のあけび蔓は、天井の高い倉庫に、こんな風に吊るされています。
山から採ってきたあと、枝や葉を落として、束にして
数ヵ月から1年以上もかけて、完全に乾燥させる必要があるのです。
編む時には、数日間水につけて、やわらかく戻します。
これを編んでもういちど乾かせば、型崩れのない丈夫なかごが出来あがります。
いまは、山で働く人が減って、山が荒れ、
よい蔓が採れる場所が、年々減っているそうです。
山の恵みをいただくにも、ただ採りっぱなしではだめで、
ちゃんと手をかけてあげないといけないのですね。
外はまだ雪。ストーブの上のやかんがシュシュシュと音を立てる中、
山の恵みは人の暮らしの道具へと、つぎつぎに形をなしていくのでした。
つづく。