『わら細工たくぼ のしごと展」はじまりました!

「わら細工たくぼ のしごと展」がはじまりました!

わら細工たくぼ さんの三代目職人・甲斐陽一郎さんに多大な協力をいただき、 半年以上の準備期間を経て、今日を迎えることができました。

このたび、ご覧いただけるわら細工の点数は、200点以上!

「縁起物のお飾り」を中心に、鍋敷きや腰掛けなど身近な生活道具から、本格的なしめ縄まで、たくぼさんの手掛けているさまざまなわら細工を一堂にご覧いただけます。

壮観です!

しめ縄づくりのさかんな宮崎県高千穂郷で、まだ若い30代前半の男性が、専業のわら細工職人として活動していることを知ったのは、今から二年ほど前のことでした。

これまで、国内のかごの産地を訪ねてきた際、各地のわら細工の名人に出会う機会も多くあったのですが、そのほとんどはご高齢の方が中心。

年末年始のお正月飾りや、地元の祭りで欠かせないしめ縄づくり、農閑期に昔ながらの民具づくりなどを手掛けてはいても、年間を通じてわら細工に携わっている人にお会いしたことはありませんでした。

甲斐さんが一体、どのようなきっかけで、どのようなことを目標に、わら細工職人としての道を歩んでいるのか、ぜひ話を聞きたいと思い一年前に連絡させていただきました。

その答えはとてもシンプルなものでした。
「みんなでお米をつくって、みんなでわら細工をつづけていきたい」

先代のお父さんは、サラリーマンとしての仕事の合間をぬって、わら細工たくぼ の伝統を繫いできたそうですが、しかしこれからの時代、これまでと同じように副業で続けていくには難しいと考えていた甲斐さんは、専業の職人となることで多くの問題解決にも取り組めると考え、その道を選びました。

昨年は、特に台風上陸が多かった一年でした。
ちょうど秋の収穫時期を迎えていた稲わらも、大きな被害を受けてしまいました。

悪天候時は田んぼの状況が気になって、夜中に見回りに行くこともしばしば。
強い雨の音が気になって眠れないこともあるのだそうです。

「特別に信心深いというわけではないけれど、こんなときは無意識に両手をあわせて無事を祈ってしまいます」
人の力の到底及ばない自然に、じかに向き合いながらものを作ることの大変さをあらためて教えられました。


店内では、わら細工たくぼ さんの一年の仕事の流れをお聞きし、一枚のチラシにまとめたものを配布しています。

春の苗床づくりにはじまり、秋に立派なわら細工として完成するまでの、長い道のりの中にあるドラマをぜひ感じ取っていただければと思います。

また、会期中は、茨城・筑波山の麓で、代々お米を大事に育てている
「お米農家やまざき」さんのおいしいお米も販売させていただけることとなりました。
(3/11実施のトークイベント(受付終了)では、やまざきさんによるおむすびもご用意しています)

毎日の食事に欠かせないお米のように、 かつての暮らしにとても身近だったわら細工の今について、見て、聞いて、味わいながら知っていただく場になればと思っています。
みなさまのご来店を心よりお待ちしております!

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