宮崎県の高千穂郷に、「注連縄(しめなわ)」作りの技とともに根付いてきたわら細工。季節を問わず、お好きな場所に飾っていただける縁起物のお飾りです。
制作は、日之影町で創業60年以上の「わら細工たくぼ」さん。3代目の甲斐陽一郎さんを中心に、田植えから刈り取り、仕上げまで、一貫して手掛けています。
「祝結び」は、しっかりとつながり合うその姿から、 結婚のお祝いや結納の品として使われることの多い形。 一度結ぶと簡単には解けない結び方に、家内安全の願いも込められた、縁起のよいお飾りです。
祝結びは、ねじる方向の異なる「右綯い」の縄と「左綯い」の2本の縄を必要とします。
右利きの場合、右綯いは理にかなった動きで作業性がよいと言われており、昔ながらの草鞋や農作業のロープがわりの縄など、生活用具に使う縄は、ほとんどが右綯いで製作されています。
一方左縄は、日常の縄とは異なる特別な縄ということで、しめ縄などの神聖なものはあえて左綯いにするのが全国的な風習です。
まったく逆の動きで同じ太さの縄を綯いあげていくには鍛錬が必要ですが、右縄と左縄を組み合わせることで、美しい模様が浮かび上がります。
【「わら細工たくぼ」のわらのこと】
「わら細工たくぼ」が工房をかまえる宮崎県の高千穂郷は、急峻な山あいに棚田がひろがり、山間地特有の稲作文化が残る地域。
「天の岩戸」の物語の舞台ともいわれる神話ゆかりの地でもあり、注連縄(しめなわ)や、わらのお飾りを大切に飾る風習が残っています。
たくぼさんでは、すべてのわらを自分たちの田んぼで育てています。
平地での稲作に比べると、傾斜地の棚田では、大型の重機が使えないことなどから、多くの人手がかかりますが、たくぼのメンバーが一丸となり、愛情をもって育てています。
すがすがしい緑色のわらは、「青わら」と呼ばれる、特別なわら。
お米が実る前、8月の暑い盛りに刈り取りが行われます。光沢があって美しく、さわやかな芳香をもつ素材となります。
秋には2度目の収穫を行います。
お米を実らせた秋の黄色いわらは、太くて丈夫。稲穂や根っこを利用したお飾りや、鍋敷きなどの生活道具に使用する素材となります。
乾燥後のわらは、上質な部分だけを選りすぐり、部位ごとに切りそろえていきます。制作前の下準備だけでも、何段階もの作業があります。
わら細工たくぼの活動は、この地域に伝わる伝統をつなぐとともに、地元に雇用や世代間の交流の場をつくり、次世代に棚田のある風景を残していくことにもつながっています。
「綯い」や「結び」の文化をたしかに受け継いだ、力強く美しいお飾り。古くてあたらしい たくぼのわら細工は、時と場所を選ばず、長く寄り添ってくれる暮らしのお供です。
◎ 作り手インタビュー「
わら細工と生きる」
(現地の写真はすべて 川しまゆうこ さん)
【わら細工製品の包装について】
本製品のお届け時は、新聞紙にて全体を覆って保護し、ガムテープで箱に固定することで緩衝材の削減に努めております。ギフト用にご利用の場合はご一報ください。
- 本品は天然の植物を利用した手作りの製品です。多少の折れや割れ、色ムラ等が見られる場合がございます。素材の性質としてあらかじめご理解くださいませ。
- 大きさや仕上がりの形状は一点ずつわずかに差がございます。表示のサイズは目安とお考えください。
- 製品の色合いは、時間とともに、作りたての緑から茶色へと徐々に変化していきます。
- 乾燥した、風通しのよい場所で保管ください。また直射日光は変色の原因となりますのでご注意ください。