スペインを代表する素材の一つ「エスパルト」。
草の束とひもを巧みに組み合わせて作られる大小の動物たちは、エスパルト細工の伝統的な表現であり、文化の一つです。
職人さんたちはさまざまな動物を作ることができますが、なかでも愛らしいロバは、スペイン南部の暮らしと密接にむすびついた、代表的なモチーフです。
スペイン南部、ルネサンス時代の美しい建造物の残る 古都ウベダには、親子4世代、100年以上にわたって エスパルトのものづくりを続けてきた工房があります。
現在、その中核を担っている職人さんの手により ひとつひとつ仕上げられたものです。
固い草をざっくりと編んだ、ワイルドな風合いが特徴。 手ざわりこそチクチク感がありますが、 昔ながらの技法でしっかりと編み上げてあります。
<スペインのエスパルト細工>
エスパルトは、スペイン南岸から北アフリカにかけての 乾燥した大地に育つイネ科の草です。
とても強靭な繊維をもち、スペインでは古くから、かごをはじめ、縄や農具、敷物など、あらゆる生活道具が 作られてきました。
夏のサンダルとして人気の「エスパドリーユ」もエスパルトの縄でつくられた農夫用の靴がもともとの形です。
その歴史はとても長く、なんと3万年も前のスペインの遺跡から、エスパルトの「縄」の化石が 発見されています。
一時期はスペインの国家経済に影響するほどの大規模産業に 成長しましたが、その後、時代は急速に変化し、いまは南部から 東海岸にかけて、かごや敷物作りの文化が点々と残っています。
近年では、環境保護の観点から、エスパルトの価値が 見直されています。地中海沿岸の乾いた土を守り、砂漠化に歯止めをかけ、動物が生息できる環境を維持してくれる数少ない植物として、あらたな光が当てられています。
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天然の植物を利用した手作りの製品です。固い繊維の飛び出しやささくれ、色むら、ゆがみ等がみられます。素材の特徴としてご理解の上ご購入ください。
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エスパルトの特質上、手触りにチクチク感があります。また服や布類に引っ掛かりやすい材質のためご注意ください。
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耳の部分には針金が入っており、部分的に露出している場合があります。
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製品の色合いは、一つ一つ微妙に異なります。 また時間とともに、徐々に茶色に変化していきます。
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サイズ、重量も、一点ずつ多少の差がございます。表示のサイズは目安とお考えください。
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乾燥した状態で保管してください。(湿度の高い状態で放置しますと、変質の原因となります。)