岡山県倉敷市で作られている、い草のかご「いかご」です。
カジュアルな装いにもよく似合う、ロータイプに仕立てた一点です。
マチが広いので、置いた時の安定がよく、手荷物の出し入れがしやすいのが特徴。男性の手にもよくなじむことと思います。
かつて い草の一大産地として知られた倉敷。「いかご」作りの伝統は現在、創業130年「須浪亨商店」の若き5代目職人、須浪隆貴さんの手に受け継がれています。
祖母から譲り受けた古い織り機を駆使して、すがすがしい い草のかごを世に送り出している須浪さん。
基本的なつくりは昔のままに、持ち手の耐久性を高めたり、縦横比を変えて用途別のデザインに仕上げるなど、今の暮らしに寄りそうための工夫とこだわりが詰まっています。
底マチは、広めの15センチ。たっぷり入って、荷物の出し入れもしやすい形です。
ひと織ひと織、手作業を重ねる須浪隆貴さん。
い草を数本ずつ束ねて撚りをかけ、縄にしたものを、専用の織り機をつかって縦横に織りあげていきます。
縁編みの内側。
底マチの折り返し部分は3センチほどの厚みがあります。
使い初めからしばらくの間は、畳に似たさわやかな香りがつづきます。
浅い緑色はすこしづつ淡い茶色へと変化し、使い込むほどにツヤと手ざわりの良さが増していきます。
<倉敷のいかご>
倉敷近郊で干拓が進み、い草の栽培が始まったのは、今から300年ほども前、江戸時代の半ばのことだったそうです。
以来この地には「花ござ」づくりの伝統が育まれてきました。
い草はまた、かごの素材としても重宝され、強度をあげるために撚って縄にしてから編む、という製法が、少しづつ発展してきました。
「いかご」とは、いぐさの縄を、専用の織り機でシート状に織りあげ、これを手作業でかごの形に成型し、持ち手を付けた手提げかごのこと。
戦中戦後の買い出し用の「闇かご」として、倉敷近辺で広く使われるようになり、一時は国内の各地にも出荷されていたようです。
現在、いかごの製作を続けているのは、須浪亨商店のみ。倉敷の伝統が息づく暮らしの道具です。
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本製品は植物を利用した製品で、天然の色ムラ、ささくれ等が見られる場合がございます。
素材の性質としてあらかじめご理解くださいませ。
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製品の色合いやサイズは一点一点少しづつ異なります。写真の色や表示サイズは目安とお考えください。
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風通しのよい場所で、乾燥した状態で保管してください。
(湿った状態で放置しますと、変質の原因となります。)
- 色は、お使いいただくとともに徐々に淡い茶色へと変化していきます。