宮城県の大和町で、古くから作られてきた「肥料振りかご」。
その名の通り、田畑に肥料や種をまく際に使われたかごで、ふとい木の枝の一本持ち手に、その名残が感じられます。
篠竹・山桜・藤・真竹など、さまざまな植物を組み合わせた手の込んだ作り。強さと実用性のために考えだされた巧妙な構造から、このかごだけが持つ美しさがにじみ出ています。
本品は、昔ながらの職人さんの教えを受け、その技を受け継いだ作り手が手掛けているものです。
「楕円/丸」、「浅/深」と幅広いバリエーションがあり、使いたい場所にぴったりの1点を選ぶことができます。
こちらは
「楕円-浅-小」タイプ。
最も小さいこの形には、ちょこんとお花を飾ったり、お茶菓子を詰めたり。こまごまとした道具入れにも便利です。
ほそく裂いた竹ヒゴのあいだに、桜の樹皮をはさみこみ、さらにちいさな隙間に、藤の繊維を詰めています。細かなものも取りこぼさないための工夫です。
角を直角に立ち上げる独特の技法は、「箕」づくりの、「アクド」と呼ばれる角部分の作りに倣っています。
木の枝をかんなで削った一本持ち手には、きめの細かい「桜」を使用。しっかりと取り付けられており、安定感よく持ち運ぶことが出来ます。
角には、補強のため、山桜の樹皮が二重に差し込まれています。
<箕と肥料振りかご>
このかごの故郷である宮城県の大和町は、仙台北部の平野に位置する農村地域です。
農業に加えて農作業用のかごづくりも盛んだった土地柄で、ここで作られた箕(み)や収穫用のかごは評判が高く、県外にも多く出荷されていたそうです。
穀物の選別や運搬に使われる「箕」は、軽くしなやかで、なおかつ丈夫であることが重要。そのため、単一素材ではなく複数の素材を組み合わせ、多くの編組品の中でも、とりわけ高度な技術が凝縮しています。
「肥料振りかご」はその箕づくりの技から生まれました。
素材はすべて、宮城県内にて作り手自身が採取したもの。藤は春、山桜は夏など、それぞれ適した季節に、適した状態の素材を選び、時間をかけて下処理を行っています。
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本製品は自生する植物を利用した手作りの製品です。天然の汚れや変色、小さな割れや節部分の欠け等が見られます。素材の性質としてあらかじめご理解くださいませ。
製作時に目印としてつける鉛筆の跡が残っている場合がございます。目立たない部分となりますのでご了承ください。
- 製品の色合いやサイズは一点一点少しづつ異なります。持ち手には削った桜の枝を使用しており、色味や形、木目や節穴の出方などは一本ずつ異なります。写真は目安とお考え下さい。
- 底はわずかに丸みを帯びた構造です。置いた時、多少の揺れがございます。
- 色味は、経年により茶色へと変化していきます。
- 高温多湿を避け、風通しの良い、乾燥した場所でお使いください。