秋田市の太平黒沢地区は、古くからの「箕(み)」の産地。
その「太平箕(おいだらみ)」の製作技術を生かして作られたかごです。
作り手は、専業の職人として60年以上にわたり製作を続けてきた
田口召平さん。箕づくりに必要とされる高い熟練の技と、
幅広い知識をもつ、この地域の最後の作り手さんです。
数百年にわたって受け継がれてきた技を、次世代に伝えるため、
田口さんが近年取り組んでいるのは、箕づくりに必要な素材と技法を
出来るかぎり取り入れた「かご」作り。
本品は、イタヤカエデを編んだ「道具かご」です。
さまざまな道具を仕舞うかごとして使いやすいよう、
浅めの楕円形に仕上げられています。
田口さんご自身も、制作時の工具入れとして、
長く愛用されています。
所々に差し込まれた濃色の山桜が、太平箕の面影を伝えています。
縁は、イタヤカエデで細やかに巻き上げています。
「アクド」と呼ばれる角の処理も、強度が重視された箕づくりの
技の一つ。
あたたかな風合いに機能性を兼ねそなえ、さまざまな場面で活躍してくれる一点です。
|田口さんと太平箕|
秋田市のシンボルとして愛されている太平山のふもと、
太平黒沢地区は「太平箕(おえだらみ)」の伝統的な産地。
昭和12年、この地に生まれた田口召平さんは、4代目の職人として
箕づくり一筋 70年近いキャリアを重ねてこられました。
編む技術に加え、素材となるさまざまな植物の見つけ方、
善し悪しの見分け方、最適な採取時期など、
膨大な山の知識と経験を積んできた田口さん。
近年は、その技を生かして、多種の素材を組み合わせたかごも
多く手掛けていらっしゃいます。
田口召平さんと年代物の太平箕。
ご購入の前にご一読ください
- 本品は天然の木材を利用した手作りの製品となっております。多少の折れやささくれ、小さな傷や形のゆがみ等が見られます。素材の性質として、あらかじめご了承くださいませ。
(節穴の例) - 製品の色合いは、時間とともに徐々に深まっていきます。
- 風通しのよい場所で、乾燥した状態でご利用ください。(湿度の高い状態で放置しますと、変質の原因となります。)