沖縄県・八重山地方で活躍してきた、昔ながらのバッグ「アンツク」です。
畑や山、海での仕事に欠かせない丈夫なバッグとして、お弁当を入れたり、採取したものを運んだりと、さまざまに使われてきました。
素材となるのは、苧麻やアダンの気根、月桃、棕櫚などのつよい繊維をもつ植物。本品は、月桃の葉をつかい、竹富島の熟練の作り手によって作られたものです。
月桃の葉をほそく割いたものを、てのひらで撚ってながい小縄にしたのち、型を使いながら、しっかりとカゴの形に編んでいきます。
島一番のかご作りの名手 松竹昇助さんが、素材の採取、下処理から、縄綯い、編み上げまで一貫して手掛けた一点です。
月桃素材は、明るいベージュが特徴。
細部まで丁寧に作り込まれています。
底部分のかっちりとした仕上がりもみごと。
肩ひもは、結び目をずらすことで長さを調節でき、
肩掛けでも、ななめ掛けにもお使いいただけます。
(ひも全長:最短 約55cm ~ 最長 約110cm)
口紐を左右に引っ張ることで、かるく口を閉じることも。
月桃は、さわやかな香りを持つショウガ科の植物です。沖縄では古くから、お茶や薬として飲用したり、天然の防虫抗菌作用を生かして枕や円座など、さまざまな民具が作られてきました。
アンツク作りのに大切なのは、均一に撚られた美しい小縄。
ほどよい太さの月桃を集めたら、茎から肉を取り除き、皮だけを干して乾かし、細かく裂いてから、撚っていきます。
このかごを一つ作るのに100メートル以上もの縄が必要なため、縄づくりまでの作業だけで数日の時間を要します。
島の植物についての深い知識と熟練の技、そして手間ひまを惜しまず注いでつくり出された、かろやかで美しいかごです。
-
本製品は天然の植物を使った、昔ながらの実用のかごです。素材の表面には、色むらや部分的な変色、こまかな飛び出し等が見られます。素材の特性としてご理解ください。
-
使い始めは、月桃の天然の香りがわずかに残っている場合があります。時間の経過とともに徐々に消えていきます。
-
風通しのよい場所で、乾燥した状態で保管してください。(高湿度の状態で放置しますと変質の原因となります。)