古くからの「箕(み)」の産地、秋田市の太平黒沢地区の「太平箕(おいだらみ)」です。
箕は、穀物をふるい分ける時などに使われた農具。かつては各地で様々なかたちのものが作られていました。
白肌の美しさで知られる太平の箕は、イタヤカエデやシロヤナギの若木に山桜とフジを組み合わせ、フレーム部分には根曲竹を使います。
作り手は、専業の職人として長年生計を立ててきた田口召平さん。箕づくりに必要とされる高い熟練の技と、幅広い知識をもつ、この地域の最後の作り手さんです。
素材ごとにことなる採取時期や採取場所、下処理や保管法を熟知し、多岐にわたる複雑な工程を正確にたどることのできる田口さんの手で、すべて仕上げられた貴重な一点です。
白い箕に、山桜の樹皮を挟み込むことで、濃色のアクセントをつけるのが太平の箕の特徴です。
横方向にシロヤナギやイタヤカエデの割材、縦方向にフジの樹皮から取り出した繊維を使用することで、高い弾力と強度を実現しています。
水漏れしにくいなど素材の特性をうまく活かしたつくり、「馬が乗っても壊れない」と評された高い耐久性、そして端正な美しさで多くの人に愛された太平箕。
「秋田のイタヤ箕製作技術」として、角館町のイタヤ箕とともに、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
田口召平さんと年代物の太平箕。
◎田口さん訪問記は
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