秋田県の東部、山々に囲まれた仙北地方にて制作された、やまぶどうの手提げかごです。
地元の山野に自生するやまぶどうをの樹皮を、時間をかけて下処理し、節やうねりの多い素材の性質を見極めながら、丁寧に編み上げたもの。
ベテランの女性職人さんの手により、一点一点仕上げられています。
なめしの加工はせず、樹皮本来の野性味を生かした作り。素材そのものの力強さと個性、そして技術に裏打ちされた堅牢な仕上がりが特徴です。
こちらは、細めに整えた材料をたっぷりと使い、みだれ編みで
仕上げた一点。横幅約40センチの、存在感のある作りとなっています。
持ち手には、数センチの可動域があり、若干の開閉が可能です。
使いはじめのワイルドな質感は、経年とともに手に馴染み、深みのある色合いへと育っていきます。
数十年を越えて使い込まれたやまぶどうの、漆黒の美しさは格別です。
|やまぶどう素材について|
やまぶどうは、急峻な山奥に多く自生する蔓性の木です。
周囲の木に絡みながら長く伸び、数十年の時間をかけて、ようやく太さ10cmほどに育ちます。その樹皮には強靭な繊維が含まれ、古くから山仕事に欠かせない丈夫な素材として頼りにされてきました。
手提げかごとしての利用が広がっていくのは、昭和の後期になってからのこと。世代を超えて使い続けられる強さと、経年変化の味わい深さで知られるようになりました。
厚くて堅い樹皮をきれいにはがせるのは、蔓が水分をたっぷりと吸い上げる初夏のわずかな期間に限られます。
できるだけまっすぐに育った蔓を選び、樹皮の良質な部分だけを使用します。
採れる量がもともと少ないうえ、曲がった繊維や、節や穴を避けて、丹念に選別していくと、利用できるのはごく一部分のみ。そのため、希少なかご材料としても知られています。
- 本品は天然の樹皮を利用した手作りの製品です。表皮の剥がれや毛羽立ち、色むら、割れや節穴、素材由来のゆがみ等が見られます。素材の性質としてご理解下さいませ。
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節穴や、製作の過程で生じる小さな穴が見られることがありますが、品質上の問題はございません。あらかじめご了承ください。
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製品の色合いやサイズは一点一点少しづつ異なります。写真の色や表示サイズは目安とお考えください。
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色は年月とともに濃い色に変化し、艶を増していきます。
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風通しのよい場所で、乾燥した状態で保管してください。(湿度の高い状態で放置しますと変質の原因となります。)