青森・弘前の伝統工芸、あけび蔓細工のかごです。1947年創業の老舗工房「宮本工芸」の職人により、一つ一つ仕上げられています。
こだし編みは、たての蔓に横の蔓を交差させ、しっかりと締め上げていく昔ながらの技法のひとつ。張りのある、軽くて丈夫なかごが出来あがります。
こちらは、浅めに仕上げた お皿のような丸型の一点。こだし編みの特徴であるふっくらと丸みを帯びたシルエットと、編み目の美しさがよく伝わる形です。
あけびの重厚感と、こだし編みの透け感とのバランスがよく、卓上に置いても軽やかです。
蔓をたっぷりつかった縁の仕上げは「あや縁」と呼ばれ、かご全体を端正に引きしめる役割を果たしています。
「小」は、直径約30センチ。くだものや野菜を載せるだけでも絵になる一点です。
使わないときには壁にかけて、細やかな編みを味わってみてください。
「コダシ」とは、もともとは山でキノコや山菜などを採る際に、背負ったり腰に下げて使ったかごの呼び名。あけびでコダシを作るときには、軽さと強度をかねそなえた、この編み方が一般的だったそうです。
|津軽地方のあけび蔓細工|
あけびは山野に自生するつる性の落葉樹です。寒冷な東北地方の山地に育つあけびの蔓は、とりわけ編み組みに適しているといわれ、昔はとても豊富に採ることができました。
蔓の採取は主に、秋から雪が積もる前までの短い期間。まっすぐに伸びた若い蔓をあつめ、枝葉をはさみで丁寧に落とし、数か月かけて芯まで乾燥させてから使います。
採取量は、近年の気候の変化や、山に入る人が減り手入れが及ばなくなったことなどの影響で、最盛期と比べて大きく減少しています。
貴重な山の恵みを無駄なく編む工夫も重ねながら、職人たちの手で制作が続けられています。
- 本製品は天然のあけび蔓を利用した手作りの製品です。色むらや斑点、表皮の割れや剥がれなどが見られ、蔓の色や質感は均一ではありません。天然素材の性質としてあらかじめご理解くださいませ。
- 貴重な素材を余すことなく使うため、黒色のあけび蔓を使うことがございます。耐久性に問題はございませんので、予めご了承ください。
- 乾燥した状態で保管してください。(湿度の高い状態で放置しますと、変質の原因となります。)