フランス南西部、ペリゴール地方の伝統的なヤナギのかご。
地元の言葉で「ブイリクー」の名で親しまれてきた、この地域独特のかごです。
フランスの他地域のかごとは大きく技法が異なり、中心部かららせん状に編み上げていく、うずまき型の構造が目を引きます。
透け感が美しい端正な編みと、なめらかなカーブを描く縁の仕上げも印象的。
こちらは、更に技巧を凝らした「クロス編み」の一点。枝の表皮を取りのぞいた明るい枝を使った、ごく丁寧な仕上がりです。
MとL。
制作は、長年ブイリクー職人として活躍してきたフィリップさんが、引退にあたりその技を受けついだ、息子のローイックさん。
2022年に職人として独立を果たしたローイックさんは、その制作技術をとても特別で貴重なものだと感じているそうです。
「特に興味深いのは、毎回同じように作れば同じように完成する訳ではない、という点です。
作るたびに自分自身を素材に合わせていく必要があり、どのように作ればよいのかは素材が教えてくれます。まるで素材とダンスをしているような感覚です。
最も大切なことは、集中力、規則性、手や体の動かしかた、そして、編み始める前に適切な素材を選んで仕分けておくことも非常に重要です。」
そう語ってくれたローイックさんによる、伝統のヤナギかごです。
<ペリゴール地方のかご ブイリクー>
比較的シンプルな構造でありながら、卓上用の小さなかごから畑仕事用の大きなものまで、自由自在に形を整えることができる応用性の高さが、このらせん編み技法の特徴です。
かつては、職人が作るというよりは、農家の人びとが日々の生活に必要なかごを、それぞれの家庭で編んでいたそう。ジャガイモの収穫やキノコ、クルミ拾いなどの場面でも多くつかわれていたという、丈夫な暮らしのかごです。
- ヤナギの枝を利用した製品です。色むらや繊維に沿った割れなどが見られる場合があります。また持ち手の部分は、枝をねじるため、裂け目が生じます。素材の性質としてご理解くださいませ。
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置いた時、わずかにがたつきがある場合があります。
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使い始めは、ヤナギ特有の甘い香りが気になる場合があります。時間の経過とともに落ち着いていきます。
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製品の色合いやサイズは一点一点少しづつ異なります。写真の色や表示サイズは目安とお考えください。
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湿度の高い場所での保管や、長時間の水濡れは変色や劣化の原因となりますのでご注意ください。