【風車小屋】
織り手:ダヌータ・ラドゥルスカ
サイズ:約74×124cm
ポーランド東北部の小さな村、ヤノフに伝わる二重織りの織物です。
こちらは、ダヌータ・ラドゥルスカさんによる『風車小屋』。
村の大きな風車小屋の前を、荷馬車が通り過ぎていく、のどかな田園の風景が描かれています
ベースの色を2色にすることで画面を区切り、上下の緑色の部分には、風車小屋を取り囲むように、木々や動物たちが左右対称に織り込まれています。
昔は、どの村にも一つはあった粉挽の風車小屋。荷馬車が挽かれた粉を積んでいます。
今は残念ながら現役の風車小屋はヤノフ村にはありません。ヤノフの織物は、古き良き風景を今に伝えるという役割も果たしています。
◇織り手◇
ダヌータ・ラドゥルスカさんは、若い頃に、都市出身のデザイナーの方とたくさん仕事をしてきた方。色使いやコンポジション、現代的な模様使いがとても上手です。現代的な作風のものが多く、伝統的な工芸品と言えど、毎年どんどん表現の幅がふえていくのが 見ていて面白い織手さんです。
現代的といっても、ダヌータさんの作品にも伝統の軸はしっかりあり、その軸をまもりつつ、ヤノフ織りの可能性を伸ばしている方です。
◇ヤノフ村の絵織物◇
ポーランド東北部ポドラシェ県のヤノフ村に受け継がれてきた手織物です。
昔ながらの木製の織り機を使い、羊の毛糸を時間をかけて織りあげる、あたたかな風合いの織物です。
複雑な模様も描ける高度な「二重織り」の技法は、18世紀にこの地へと伝わって以来、母から娘へと受けつがれてきました。
その魅力は、布いっぱいに描かれる身近な自然や村の暮らしの風景。多彩な伝統模様に、織り手ごとのオリジナルのモチーフも加わって、自然の恵みとともに営まれてきたヤノフ村の物語が、一枚一枚に織り込まれています。
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色の見え方は、閲覧する機器や環境によって多少異なります。製品実物の色は、写真の色味と完全には一致しない点、予めご了承ください。