【ブドウのつる】
織り手:ルドガルダ・シエンコ
サイズ:約40×99cm
解 説:SLOWART 藤田泉さん
ポーランド東北部の小さな村、ヤノフに伝わる二重織りの織物です。
こちらは、ルドガルダ・シエンコさんによる中盤サイズのタペストリー。
白バックのデザインで、古典柄であるブドウのつるの模様を中心に配置した、モダンな印象のタペストリーです。
濃色の部分は、こげ茶とグレーの糸の組み合わせにより、むらさきに近い優しい発色となっています。
◇織り手◇
今年83歳になるベテランの織手ルドガルダ・シエンコさん。体調の波などがあり、作品が展示会にほとんどない年もありましたが、今年のルドガルダさんの勢いは凄く、どこからその力を振り絞っているのかと思うほどの、量と質の作品群でした。
ベテランたちの作品は、彼女たちが生きてきた年月が織り込まれ、力があり、苦労を厭わない価値の塊だと思います。
年々進化するルドガルダさんの作品を見ていると、技術がさらに磨かれ、デザインは迫力と複雑さを増す、という凄まじさを感じます。
◇ヤノフ村の絵織物◇
ポーランド東北部ポドラシェ県のヤノフ村に受け継がれてきた手織物です。
昔ながらの木製の織り機を使い、羊の毛糸を時間をかけて織りあげる、あたたかな風合いの織物です。
複雑な模様も描ける高度な「二重織り」の技法は、18世紀にこの地へと伝わって以来、母から娘へと受けつがれてきました。
その魅力は、布いっぱいに描かれる身近な自然や村の暮らしの風景。多彩な伝統模様に、織り手ごとのオリジナルのモチーフも加わって、自然の恵みとともに営まれてきたヤノフ村の物語が、一枚一枚に織り込まれています。
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色の見え方は、閲覧する機器や環境によって多少異なります。製品実物の色は、写真の色味と完全には一致しない点、予めご了承ください。