
沖縄・与那国島につたわる手仕事のひとつ、クバの葉の「カブチ」です。
カブチとは、かつて島の女性たちが頭の上に荷物を乗せて運ぶときに、クッションとして使った輪のこと。
このような道具は、沖縄の各地で使われていたようですが、島によって呼び方は異なり、カブチは与那国島での呼び名です。
今は、おもになべ敷きとして使われています。また夏にはスイカなどの台座としても。

色味はゆっくりと深みを増していきます。
クバ(ビロウ・蒲葵)の木は、九州南部から沖縄にかけて多くみられるヤシの仲間です。
その葉はとても大きくて繊維が多く、加工に適しているため、さまざまな道具へと形を変えて、人びとのくらしを支えてきました。
沖縄には、この世のはじまりを表すのに「蒲葵ぬ葉世(くばぬはゆ=クバの葉の世)」という言葉があるそうです。まだ衣服もないほどの昔、人びとはクバの葉を身にまとって暮らしていた、そんな言い伝えから、クバと人との親密な関係が伝わってくるようです。
身近であると同時に、神木として古くからあがめられてきた植物でもあり、祖先や神様とつながる祈りの場面には、しばしばクバの木や道具が登場してきました。

祖父の代から続くというクバ畑に、のびのびと広がる大きな葉。

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