青森・弘前の伝統工芸、あけび蔓細工です。
1947年創業の老舗工房「宮本工芸」の職人により、一つ一つ仕上げられています。

こちらは大きな四角形に編みあげたピクニック・バスケット。
明るい印象の小松編みで仕上げた一点です。

荷物の多いお出かけにはもちろん、車での移動や、
室内の収納かごとしても、幅広く活躍してくれる
使いやすい形です。





松葉のようなＶ字を、横向きに編み重ねていく「小松編み」。
ツタを絡めたような持ち手のデザインも目を引きます。











おなじあけびでも、大きめサイズのかごは、小さいかごよりも
弾力が高く、柔らかく感じられます。
押したり、ものを入れて運ぶ際には多少のしなりが生じます。


｜津軽地方のあけび蔓細工｜
あけびは山野に自生するつる性の落葉樹です。
寒冷な東北地方の山地に育つあけびの蔓は、とりわけ編み組みに
適しているといわれ、昔はとても豊富に採ることができました。

蔓の採取は主に、秋から雪が積もる前までの短い期間。
まっすぐに伸びた若い蔓をあつめ、枝葉をはさみで丁寧に落とし、
数か月かけて芯まで乾燥させてから使います。

採取量は、近年の気候の変化や、山に入る人が減り手入れが
及ばなくなったことなどの影響で、最盛期と比べて大きく
減少しています。

貴重な山の恵みを無駄なく編む工夫も重ねながら、職人たちの手で
制作が続けられています。