甲州ざると富士と笠

こんにちは。昨日の春雪にはびっくりしましたね。
前日が、上着も不要な春の陽気だったのですから、
気温の変化に体を順応させるのもたいへんですね。

そういえば、雪の前日は山梨へ行ってきたのですが、午前中から夕方までの長い時間、
富士山にはすっぽりと笠が被っていました。

「富士が笠をかぶれば、近いうちに雨」というほど、天候が崩れる予兆として有名ですが、
まさか雪が降るとは・・・。

山梨に向かったのは、かねてから頼んでいた作り手の方から、
「ざるが出来たよー」と連絡があったから。

甲州ざる」は、お米研ぎや豆、野菜などの水切りに最適で、
湯にも強いのが特徴の竹細工。

あたたかくなり需要の高まるこれからの季節。まとまった数のざるをお願いしていたのです。

そして、今回も実際の作業を見せていただきながら、色々な話を伺うことができました。

   
     一本一本ひごを揃えていく

   
     ここから編みはじめていきます。

    
     美しい編み目を刻む熟練の技

  これは「笠」ならぬ、「帽子」ですね。

    

「防暑帽」 -ぼうしょぼう- といいます。名の通り、暑さを防ぐ帽子として、
戦時中には万という単位が、この地で作られました。

わらの帽子に比べ、薄く軽くて丈夫であったことから、
主に南へ向けた物資として供給されたそうです。

手にした時は、えも言われぬ重みを感じましたが、あめ色に変化しているだけで、
ダメージがほとんどないのは驚きでした。

そして、思わぬきっかけでしたが、人の歴史にまつわる
かごの存在を垣間見た気がしました。

さて、今回もすっかり長居をしてしまいました。

たくさんのざるを抱え外に出ると、いまだ笠を被ったままの富士山が
見送ってくれたのでした。

征一郎