かご小話: 赤道直下の手紡ぎウール

「糸紡ぎをする人」の代表は、私にとってはインド独立の父
マハトマ・ガンディーなのですが、皆さんいかがですか?

1946年に写真誌LIFEに掲載されたこの有名な肖像画は、
皆さんも目にされたことがあるのではないでしょうか。
http://www.gallerym.com/work.cfm?ID=91

当時、イギリスからの独立運動をけん引していたガンディーは、
糸を一本一本手で紡ぐ、という作業を、
人間本来の暮らしを象徴する姿として尊びました。

そんなことから「紡ぐ姿」に憧れをもっていた私は、ケニア産の手紡ぎ
ウールがあると聞いた時には、とても嬉しくなりました。

東アフリカの赤道直下に位置するケニア。広大な国土は山あり谷あり。
このウールの産地ナニュキ村 (Nanyuki village) は、標高5千メートル
を超えるケニア山のふもとにあります。

村で活動する「Nanyuki Spinners & Weavers」という団体が、
これまで多くの女性たちに、ウール製品の生産技術を指導してきました。

モコモコした羊の原毛を、指で細く撚りながら、糸巻きに巻き取って
いきます。それを機織り機などの簡単な道具を使いながら、
ゆっくりと手で織りあげています。糸の太さや、発色が均一に
ならないところに、あたたかな風合いが生まれます。

大変な手間と時間のかかる仕事ですが、出来上がった製品にはどれも
工業製品にはない、手紡ぎならではのホッとする温かみがあります。

そして、こうした手工業が村の女性たちを支える大切な収入源になって
いることも、この製品の大切な側面の一つですね。

朝子