かご小話(30) : ロシアの白樺細工

ロシアの白樺細工は、現地ではベレスタとよばれています。

その歴史は太古からはじまっているといわれ、考古学の研究対象にも
なっているそうです。

長く厳しい冬を生き抜くために、ロシアの白樺樹皮は特に良質だと言われています。
人間同様、白樺の木も軽くて暖かいコートを身にまとうことで、自分の体を
外気から守る必要があるのです。

良質の白樺の樹皮を利用した製品は、かごに限りません。
トレーや貯蔵ケースとして、スリッパから帽子に至るまで、生活の隅々にまで
利用されてきました。軽くて暖かく、皮革のように丈夫な白樺は、
毛皮同様に貴重な自然からの恵みだったことでしょう。

職人の技も、親から子に、師匠から弟子に伝わり、引き継がれてきました。
比較的豊かになった現代においても、はたしてこの素晴らしいベレスタの文化は
続いていくのでしょうか?

ロシアでは、ベレスタ製品は現代の生活に溶け込んでおり、実用品は一定の
需要があるので、今後も使われ続けていくことでしょう。厳しい寒さの中では
プラスチック製品がほとんど使い物にならないことも、使われる理由の
一つではないでしょうか?

日本においては、白樺製品の人気が高まりつつありますが、一過性のブームでは
なく、実用的な工芸品としてしっかりと根付かせていくことで、今後たくさんの優れた
ベレスタ製品をご紹介していければと思っています。