かご小話(20) : またたび細工は素材から

またたび細工は、福島・奥会津の三島町をはじめとする、
只見川流域で作られています。
この地域には竹があまり生えないことも、またたび細工が
発展した理由にあるようです。
竹細工と同様、材料を作る作業には、たいへんな労力と技術が
必要となります。これに要する時間は、全体の6-7割と言われますので、
実に編む作業の三倍近い時間がかかることになります。
加えて、先週に奥会津を訪ねた際、作り手の方から聞いた言葉が印象的でした。
「どんなに腕があっても(だめ)、一番重要なのはよい素材を集めること。」
なるほど名人は、良い材料と悪い材料を選んで、目の前で曲げて見せました。
良いものは、しなやかに曲がったのに対し、悪い方は「クシャッ」といって
折れてしまいました。
おそらく良い素材を集める名人は、またたびそのものだけではなく
土や日当たり、様々な環境や気候にまで精通している人ではないでしょうか。
農家の方が、農産物の見た目だけではなく、その味や栄養にまで
目を光らせるように。