かご小話(16) : 編む前にすること

手の込んだかご作品を見ていると、編むのに一体どのくらいの時間が
かかるんだろうと思ってしまいます。
職人さんに伺うと、ものによりますが、数時間で編めるものが
多いようです。
が、編むという作業は、かご作りの工程の最後の最後。
編みあげるための材料を準備するところに、実は膨大な時間が
かかります。
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素材になるのは、自生する草やつる、木の枝や皮。人は手に入る
さまざまな自然素材を工夫して利用してきました。
まずは山や森に入って素材を伐り出し、汚れや余分な葉などを払って、
丹念に形を整えていきます。
伐り出す季節と、編む季節がずれている場合には、その間、材料が
劣化しないよう上手に保管しなければなりません。
編む技法だけでなく、素材の採り方、保管の方法などにも、長年積み
重ねられてきた知恵が生きているのですね。
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硬い、柔らかい、大きく作れる、小さく作る、といったかごの個性や
用途は、それぞれの素材の特性から生まれてきます。
かごを眺める楽しみは、素材に目を向けることで
ぐんと広がってくるような気がします。