長野・安曇野の竹工芸家、吉田佳道さんの「ささなみかご」。さざ波のように穏やかな曲線をえがく、美しい竹のかごです。
こちらは、家族分の洗濯ものも収納できる大きなサイズ。とても軽く、濡れた洗濯物を入れての移動も苦になりません。
竹をもっと日常の暮らしに取り入れてもらえたら、と吉田さんがみずから考案し、8、9年ほど前から製作を続けている製品の一つです。
竹ひごの角を落とす面取りの作業がていねいに施されて 手当りやさしく、毎日身近に置いて使っていたくなるシリーズです。
白竹の肌のうつくしさと、清潔感のあるシルエットは、インテリアとしても凛とした存在感があります。

大容量の「大」

底には小さな落款。
むかし銭湯などで使われていた籐製の脱衣かごのように、日本人にとってどこか懐かしく、毎日の生活で身近に使えるかごを、白い竹を使って製作したいと考えたのが、ささなみかごの誕生のきっかけでした。
けれど竹と、弾力があって柔軟にかたちをかえやすい籐とでは、性質が全く異なります。
素材の厚みや幅を微妙に調整したり、かつて籐で作られていた職人さんが惜しみなくアドバイスして下さったこと、表面に傷のない良質の竹を提供して下さる竹材店さんがいることも大きな力となって、試行錯誤を重ねてついに製品化に至ったと、吉田さんは語ります。
吉田さんが竹細工の道に進もうと決めたのは、20代の半ばころ。社会人になり3年ほどたったころ、仕事をこなしていく充実感を感じつつも、これからの自分をふと考えた時に、ものを消費する側ではなく、作ることへの関心がたかまっていき、日本の伝統工芸、なかでも竹工芸の存在を意識するようになったそうです。
それからまもなく、竹細工を学ぶため大分県・別府の訓練校に入校します。再びの学生生活でしたが、竹の仕事で生きていこうという目的を持って、手で覚えるという濃い時間を過ごしました。卒業後3年ほどの修行期間を経験したのち、長野県の安曇野に工房を構え、すでに20数年のキャリアを積んでこられました。
「つかいやすいものを、ていねいにつくりたい」とおだやかに話す吉田佳道さんの、ささなみかご。ぜひ日々の暮らしに取り入れてみてください。
- 天然の植物を利用した製品です。素材の一部に色ムラや小さなキズ、ササクレ等が見られる場合がございます。素材の性質としてあらかじめご了承くださいませ。
- 製品の色合いやサイズは一点一点少しづつ異なります。写真の色や表示サイズは目安とお考えください。
- 経年変化により、色味はゆっくりと深みを増していきます。
- 風通しのよい場所で、乾燥した状態で保管してください。(長時間の水濡れは変質の原因となりますのでご注意ください。)