
青森・津軽地方に伝わる「こぎん刺し」のカードケースです。
生地は適度な張りのある平織の綿布で、心地よい手ざわり。ICカードや名刺入れとして使いやすい形です。
津軽こぎん刺しは、複雑に描き出されるひし形の模様がうつくしい伝統刺繍で、日本三大刺し子の一つに数えられています。
厳寒の津軽の地で、かつて農民に麻の服しかゆるされなかった時代、目の粗い麻生地をすこしでも強く、あたたかく着られるようにと、女性たちが冬場に長い時間をかけて育んだ、緻密で美しい手仕事です。
「くるみの殻」は、半分に割ったくるみの断面を描いた伝統模様。おいしい実のなる身近な木への、親しみが伝わってきます。
<津軽こぎん刺し>
こぎん刺しが暮らしに根差した工芸であったことは、基本となるひし形模様に、「豆コ」「鋸の歯」「猫の目」など、身近なものの名前が付けられていることからもうかがわれます。
もともとは藍染の麻布に白い木綿糸で刺されていましたが昭和に入り、民藝運動に見出されて以来、より多くの色や素材を用いた多彩な表現が磨かれてきました。
本製品は、弘前で活動するこぎん刺しの会「かちゃらず会」の作品です。
メンバーの多くは、リンゴなど農家の女性たちが中心で、同地域でさかんなあけび細工とともに、主に農閑期の手仕事として、その技を受け継いでいます。
※撮影条件や、閲覧環境の違いにより、実物の色合いは画像とは多少異なる場合がございます。