【森の春】(手紡ぎ)
織り手:マリア・モゼルスカ
サイズ:約75×190cm
解 説:SLOWART 藤田泉さん
ポーランド東北部の小さな村、ヤノフに伝わる二重織りの織物です。
こちらは、マリア・モゼルスカさんによる1993年制作のビンテージ作品です。
今から30年近く前に織られたもので、裏面に名札が縫い付けてあり、作者がつけたタイトル「森の春」との記載があります。今はもう織っていない織り手さんです。
幾何学のような花と小鳥の柄が連続して続く、とても美しくモダンな印象すらするタペストリー。
手紡ぎの単糸が使われており、それが経年により、膨らんだり縮んだりして、とても良い風合いになっています。手紡ぎの織物はこのように、数十年の年月を経ることで味わいを増していきます。
表・裏に若干の補修跡がみられます。大切に手を掛けながら時を経てきたことが伝わってきます。
裏面上部には、壁掛け用の棒を通すための布が縫い付けてあります。
作り手によるサイン(裏面)。
◇ヤノフ村の絵織物◇
ポーランド東北部ポドラシェ県のヤノフ村に受け継がれてきた手織物です。
昔ながらの木製の織り機を使い、羊の毛糸を時間をかけて織りあげる、あたたかな風合いの織物です。
複雑な模様も描ける高度な「二重織り」の技法は、18世紀にこの地へと伝わって以来、母から娘へと受けつがれてきました。
その魅力は、布いっぱいに描かれる身近な自然や村の暮らしの風景。多彩な伝統模様に、織り手ごとのオリジナルのモチーフも加わって、自然の恵みとともに営まれてきたヤノフ村の物語が、一枚一枚に織り込まれています。
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表・裏面に数か所の補修跡、裏面に1か所の若干のほつれが見られます。
(補修跡の例)
(ほつれの箇所/裏面)
- 色の見え方は、閲覧する機器や環境によって多少異なります。製品実物の色は、写真の色味と完全には一致しない点、予めご了承ください。